2025年5月10日から15日にかけて、国際磁気共鳴医学会(ISMRM 2025)が米国ハワイ州ホノルルで開催された(図1)。
図1:ハワイの象徴、ダイヤモンドヘッドから見下ろすホノルル市街
本稿では、同学会で発表された数多の演題の中から、今後のMRI技術の潮流を形成すると考えられる重要なトピックスを抽出し、筆者の専門的視点からその技術的背景と臨床的意義を詳細に解説する。
今年の学会テーマは「ISMRM: Towards a Healthier Footprint」であり、MRIの技術革新のみならず、その環境負荷や持続可能性への配慮が示された。
また、京都府立医科大学の山田惠先生がプログラム委員長を務め、質疑応答時に発表者の母語に通訳を行う「第三の座長」を配置するなど、言語の壁を越えた学術交流を促進する試みも行われた。
今年の展示会場で最も注目を集めた技術の一つが、中国XGY社が発表した1.5TヘリウムフリーMRI「XGY Spin MRI」である(図2)。
図2:XGY社の回転式MRI「XGY Spin MRI」
このMRIは、トンネル型の設計を維持したまま、ガントリが90度回転し、臥位だけでなく立位での撮像も可能にする。マグネットの回転機構と高磁場の両立は、これまで技術的に困難とされてきた課題であり、姿勢変化が人体に与える影響を解明する上で、大きな転換点となる技術である。
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