循環器領域を渉る―MRI技術の進展―

著者

荘司　学（昭和医科大学病院 放射線技術部）

はじめに

心臓MRIは、心筋機能、組織性状、血流動態の評価において有用な非侵襲的モダリティであるが、その一方で、検査時間の長さ、心拍同期の煩雑さ、息止めの必要性など、患者および操作者双方にとって多くの負担を伴う。

近年、これらの課題に対する解決策として、AIを中核とした画像再構成技術やワークフロー、自動化機能が各社から導入されており、循環器領域におけるMRI検査の効率性と再現性が大きく向上しつつある。

本稿では、ITEM2025で取材した技術展示から、AIを活用した検査支援、高速・高画質な画像再構成、自動化による検査効率化に関する最新動向を紹介する。

GEヘルスケア・ジャパン

GEヘルスケアは、循環器MRIにおけるAI技術の導入により、検査の効率化と画像品質向上の両立を目指している。特に注目すべきは、ディープラーニングを活用した「Sonic DL™」と「AIR™ Recon DL」および新たに搭載された「Wideband Adiabatic IRパルス」である。