整形外科領域における骨折や術後経過の観察では、単純X線撮影の簡便性とCTの精度との間にギャップが存在する。トモシンセシスは、低被ばくかつ高精細な断層画像を迅速に提供可能な技術であり、特に仮骨形成や金属インプラント周囲の評価に有効とされる。
当院では、トモシンセシス機能を搭載したキヤノンメディカルシステムズ社製Astorex i9を用い、整形外科領域で撮影した症例をもとに有用性を検討した。
その結果、仮骨形成や骨融合状態など、従来の単純X線撮影では確認が困難であった微細構造の描出が可能であり、診療現場での即時的な判断に有用な画像情報が提供できた。
整形外科領域における骨折や術後の経過観察では、骨癒合の進行やインプラント周囲の状態を的確に把握することが診療上重要である。
これまで一般的に用いられてきた単純X線撮影は、低被ばく・簡便という利点を持つ一方で、骨構造の重なりにより骨折線や仮骨形成の描出に限界がある。
この記事は会員限定記事です。
新規会員登録・コンテンツの閲覧は無料です
会員の方はこちら
会員ではない方はこちら
2025.07.30
2025.07.25
2025.07.11
2025.07.11
2025.07.11