血性心囊液貯留で心破裂疑いに対して冠動脈 CTを施行。責任血管同定と左室心筋の破裂の有無を診断する目的に、通常の120kVによる冠動脈CTAとDual Energyによる心筋遅延造影を撮影した。
結果として、左冠動脈回旋枝の完全閉塞により左室側壁の貫壁性梗塞があり、Spectral解析により心囊液内に造影剤の少量漏出を認め、oozing ruptureと診断された。少量出血の検出にspectral curveで評価することで、造影剤の存在を証明することができ、有用であった。
近年、Dual Energy CT(DECT)が普及し、臨床応用によりさまざまな有用性が報告されている。
キヤノンメディカルシステムズ社製「Aquilion ONE」において、Rapid kV Switching方式を採用したDECTが撮影可能となり、ディープラーニングを応用した再構成法を組み合わせたことによって、大幅な画像ノイズ低減や自動電流変調(automatic exposure control:AEC)を適用することができる。
また、1回転で160 mmの幅をDual Energyで撮影することができ、心電図同期撮影にも対応している。
当院においても「Aquilion ONE / PRISM Edition」が導入され、心臓 CTへの応用として心筋遅延造影(Late Iodine Enhancement:LIE)をDECTで撮影している。今回、われわれは心破裂疑いに対し、DECTが有用であった症例を経験したので報告する。
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