血管撮影装置の進歩により、3D画像のクオリティが向上しており、脳血管内治療において3D画像は欠かせないものとなっている。
造影剤注入条件を工夫した撮影画像は多く報告されているが、本症例においては血流が非常に速く、造影剤注入条件の工夫は有用ではないと考えた。通常再構成の3D画像では、病変部の動静脈の正確な解剖を把握することができず、動脈と静脈の色分けができないか検討した。
シーメンスのワークステーションでは、2種類の画像のFusionが可能である。
1つ目のデータは元画像のまま、2つ目のデータは内頸動脈を手動でCutして静脈のみとした。汎用ワークステーションを使用すれば内頸動脈をオートトレースできるため簡単にCutすることができるが、シーメンスのワークステーションでは困難なため、3D画像の角度を変えながら内頸動脈のみをマニュアルでCutし、静脈のみの表示とした。
2つの画像をワークステーション上でFusionさせ、1つ目(動静脈)は赤、2つ目(静脈)を青の表示とすることにより、どちらの画像にも表示される静脈部分が紫となり、加算画像で動静脈を分離することができた。これは、色の混ざり合わせを3D画像に活用したものであり、他のFusion画像にも有用な技術であると考える。
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