粒子線治療における治療計画用CTでは通常、撮影された画像をCT値から阻止能比(Stopping Power Ratio:SPR)に変換するテーブルを作成し、変換された阻止能比を元に治療計画を行う。
これまで、変換テーブルの作成方法については線量分布計算の誤差を低減するためさまざまな方法が提唱されてきた。しかしながら物質の組成や密度によっては対応しきれない場合があり、線減弱係数を元にしたCT値からの変換では高精度化に限界があるとされてきた。
Dual Energy CT(DECT)を使用した解析アプリケーションであるDirect SPRはその問題を解決する方法として開発された(図1)。
図1:Single Energy CT画像(120kV)とDirect SPR画像
Direct SPRはDECTで得られたデータから実効原子番号をベースにした平均励起エネルギーと相対電子密度を算出し、そこから阻止能比を求める。その計算アルゴリズムは撮影対象が人体内の物質であることを想定してチューニングがなされている(図2)。
図2:阻止能比算出アルゴリズム
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