メニュー閉じる

2024.08.06

放射線治療による脂肪髄化の特定―“がんロコモ”を防ぐために―

  1. DE-1グランプリ2024
  2. Dual energy CT(DECT)
  3. がんロコモ

ご紹介頂く先生

中島広貴
手稲渓仁会病院 診療技術部

 

 

医療機器情報

CT
Revolution APEX(GEヘルスケア・ジャパン株式会社)

 

 

技術解説

がんロコモティブシンドロームはがん自体あるいは「がん」の治療によって、骨・関節・筋肉・神経などの運動器の障害が起きて移動機能が低下した状態である。進行すると、日常生活が不自由になり、介護が必要になるリスクが高まるだけでなく、がんの治療自体にも影響する。

原因としてはがんによる運動器の問題、がんの治療による運動器の問題、そしてがんと併存する運動器疾患の進行の3つが大きな原因とされている。がんの治療による運動器の問題としてあげられるのが、抗がん剤投与や手術のため長期間の安静による筋力低下、抗がん剤の副作用による神経の症状、手術や放射線治療による運動器の障害がある。

本症例ではがんロコモの原因とされるがんの治療による運動器の問題に対し、Dual Energy CTにおける物質弁別解析が有用であったためその一例を報告した。

70歳女性が、主訴腰痛を訴えて整形外来を受診。外傷歴はないが、座位時にも疼痛持続、起き上がり時など特に症状をきたしており、痛みから歩行困難であった。既往としては一年前に膵頭部癌に対する術前CRTを行っていた。

放射線治療での処方線量は50.4Gy/28frであった。CRT後に腫瘍縮小効果が得られたため、亜全胃温存膵頭十二指腸切除術(SSPPD)を行った。その他、特に主な既往はない。既往歴から膵癌の骨転移も疑われたため、採血検査(腫瘍マーカー)、骨シンチグラフィ、X線検査が施行された。

患者は疼痛によって長時間の仰臥位固定姿勢困難であること、閉所恐怖症であったため、MRI検査は不可能であり、DECTによる骨性状の評価を行った(図1)。

図1:撮像条件

この記事は会員限定記事です。

新規会員登録・コンテンツの閲覧は無料です

  • 会員の方はこちら

  • 会員ではない方はこちら

TOP

「映像情報Medical」サイトへのアクセスありがとうございます。

本サイトは、国内の医療関係者(医師、技師、看護師等)を対象に、
様々な情報を提供させていただくことを目的としております。

新規会員登録・コンテンツの閲覧は無料です

一般の方や、国外の医療関係者に対する情報提供を目的としたものではないことをご了承ください。

あなたは医療関係者ですか?

映像情報Medicalのご利用にあたってをご確認の上、対象の職種をクリックしてください。
 
医療関係者でない場合は、会社概要ページへお進みください。