2024.04.08
富士フイルムヘルスケア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本 章雄)は、AI技術※1を活用して被検者の体動を検知する被検者見守りシステムを搭載したワイドボア1.5テスラ※2超電導MRIシステム「ECHELON Synergy(エシェロン シナジー)」の販売を本日より開始する。
今回販売を開始する「ECHELON Synergy」は、体動の影響を受けた信号を除去し画像を再構成することで、体動アーチファクト※3を抑制した画像を提供することが可能。またAI技術※1を活用した、検査サポート機能や画質向上技術で、安定した質の高い検査をバックアップする。従来モデル※4を刷新した「ECHELON Synergy」は、再撮像の頻度低減を支援し、被検者・医療従事者の負担軽減に貢献する。
同社は、4月12日~14日にパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催される「2024国際医用画像総合展(ITEM2024)」に、進化した「ECHELON Synergy」を出展する。
MRI検査は、CT検査と比較して長い撮像時間を要することから、被検者の体動が画質に影響しやすい検査といわれている。被検者は、閉塞的な空間の中で長時間にわたって同じ体勢を維持することが求められるが、被検者が体勢を維持できず動くと画像に体動アーチファクトが発生し、再撮像が必要となる。そのため、再撮像の頻度を低減する技術の重要性がますます高まっている。
同社は、2023年3月にワイドボア1.5テスラ超電導MRIシステム「ECHELON Synergy」を発売。撮像時に断層画像の位置・角度の自動設定が可能なスライスライン設定サポート機能※5やノイズ除去技術など、AI技術※1を活用した機能・技術により、検査ワークフローの効率化と検査時間の短縮を支援している。
今回販売を開始する「ECHELON Synergy」は、再撮像の頻度低減に向けて、従来モデルに、AI技術を活用して被検者の体動を検知する被検者見守りシステム「Synergy Vision(シナジー ビジョン)」を搭載したワイドボア1.5テスラ超電導MRIシステムである。ボア内に設置したカメラの映像から被検者の動きを検知すると、医療従事者に通知。画像上に体動アーチファクトが確認された場合、体動の影響を受けた信号を除去して画像を再構成する機能を使用することで、体動アーチファクトを抑制した画像を提供する。また、被検者が長時間の撮像に耐えられず検査を中断することになった場合でも、中断までに取得した撮像データで画像を再構成することが可能。再撮像の頻度低減を支援し、被検者・医療従事者双方の負担軽減に貢献する。
さらに、適用可能な撮像部位を拡大したスライスライン設定サポート機能や、AI技術を活用した画質向上技術、画質と検査ワークフローを向上する乳房用受信コイルにより、安定した質の高い検査をバックアップする。
同社は、被検者・医療従事者の負担を減らすための各種サポート機能を充実させ、検査の効率化と医療の質の向上を図ることで、人々の健康維持増進に貢献していく。
※1 AI技術のひとつであるMachine Learningを用いて開発した。導入後に自動的に装置の性能・精度が変化することはない。
※2 被検者が入る装置開口部を大口径(ワイドボア)にし、より快適な検査空間を実現した磁場強度1.5テスラのMRIシステム。
※3 MRIの撮像において、体動の影響により画像上に発生する、本来存在しない像。
※4 2023年3月に発売したワイドボア1.5テスラ超電導MRIシステム「ECHELON Synergy」。
※5 最終的に操作者が提示されたスライス位置を確認し、必要に応じて手動で調整する。
記
MRイメージング装置 ECHELON Synergy(医療機器認証番号:305ABBZX00004000)
2024年4月8日
(1)再撮像の頻度低減を支援する機能
AI技術を活用して被検者の体動を検知する被検者見守りシステム「Synergy Vision」を搭載。ボア内の前後に設置した2つのカメラにより被検者の状態を視覚的に観察できる。また、被検者の体動の大きさを推定し呼吸動波形を表示する。
被検者の体動を検知すると、通知音と画面表示で医療従事者に通知し注意を促す。体動アーチファクトが画像上に確認された場合、体動による画質劣化を改善する機能「Visual StillShot(ビジュアル スティルショット)」を使用することにより、体動の影響を受けた信号を除去して画像を再構成。体動アーチファクトを低減した画像を提供し、再撮像の頻度低減を支援する。
また、検査中にやむを得ず撮像を中断した場合でも、中断までに取得した撮像データで画像を再構成できる機能を搭載。取得した撮像データに対して繰り返し演算処理を行い未取得のデータを補間することで、再撮像することなく画像を作成できる※6。
※6 体動の程度や発生したタイミングによっては、補間できない場合もある。
(2)適用可能な撮像部位を拡大したスライスライン設定サポート機能
取得する断層画像の位置・角度を自動で設定するスライスライン設定サポート機能の適用部位を拡大。従来の頭部、脊椎、膝関節、肩関節に加え、新たに胸部と股関節の撮像にも、スライスライン設定サポート機能の使用が可能である。
スライスライン設定のアルゴリズムには、国内外で多くの医療機関への納入実績を持つ富士フイルムの3D画像解析システム「SYNAPSE VINCENT(シナプス ヴィンセント)」※7で培ってきた臓器認識技術を適用した。スライスライン設定サポート機能により、検査ワークフローを効率化する。
※7 販売名:富士画像診断ワークステーション FN-7941型,認証番号:22000BZX00238000
(3)AI技術を活用した画質向上技術
AI技術を活用して新たに開発した画質向上技術により、MRIの撮像原理上、発生するトランケーションアーチファクト※8を低減し、画像尖鋭度を向上※9。さらに、AI技術を活用したノイズ除去技術や、繰り返し演算処理を行う高速撮像法と組み合わせることで、より短時間で高画質な画像を取得できます。また、体動アーチファクトを抑制する機能「RADAR(レーダー)」との併用も可能である。
※8 有限のデータで画像再構成を行う際に生じる、本来存在しない像。信号の段差が原因で発生する。
※9 高信号域のエッジ(輪郭)を強調すること。
(4) 画質と検査ワークフローを向上する乳房用受信コイル
新たに開発した乳房用受信コイルにより画質と検査ワークフローの向上を実現した。MRI信号を受信するエレメントの数を従来モデルの7個から17個に増やし、画質を向上。両サイドのエレメントは着脱が可能で、被検者がコイルの上にうつぶせになった後、乳房の位置が正しくセッティングできているかを横方向から確認しやすい構造を採用している。従来モデルでは、乳房MRI検査を行う際、寝台に常設されている脊椎用受信コイルを取り外してから乳房用受信コイルを設置する必要がありましたが、新しい「ECHELON Synergy」では、脊椎用受信コイルを取り外すことなく乳房用受信コイルをセッティングできるため、ワークフローを効率化する。
▪問い合わせ
<報道関係>
富士フイルムヘルスケア株式会社 経営管理部 ブランド・コミュニケーショングループ
TEL: 03-6271-3040
<その他のお問い合わせ先>
富士フイルムヘルスケア株式会社
問い合わせフォーム:https://www.fujifilm.com/fhc/ja/form/products
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