2023.08.04
キヤノンメディカルシステムズ株式会社は、ディープラーニングを用いて設計された透視画像におけるリアルタイム新画像処理やX線制御技術を搭載可能なX線アンギオグラフィシステムの最新シリーズ「Alphenix / Evolve Edition」(アルフェニックス イヴォルヴ エディション)を日本、アジア、ヨーロッパ地域で本日より販売開始する。
アンギオグラフィシステム(X線血管撮影装置)はカテーテルと呼ばれる細い管を血管内に挿入し、造影剤を注入しながら目的の部位にX線を照射することで、血管の様子をリアルタイムに映し出すことができ、カテーテル治療に欠かせない装置である。
カテーテル治療は生活習慣の変化や高齢化によって、心筋梗塞や脳動脈瘤といった血管の病気が増加する中で、低侵襲な治療法として普及が進んでいる。
近年、冠動脈(心臓に血液を供給する血管)の疾患に対する治療技術は進歩を続けており、冠動脈インターベンション(カテーテルを用いた血管内治療)は、より高度で複雑なものとなっている。
カテーテル治療で必須となるアンギオグラフィシステムにおいても手技をサポートする性能や機能へのニーズが年々高まっている。
これまで同社は、CT診断装置やMR装置などの開発においてディープラーニングの技術を用いて画質の向上や被ばく低減に取り組んできた。
今回Alphenix / Evolve Editionでは、同社が培ってきたディープラーニング技術をアンギオグラフィシステムのリアルタイム画像処理に応用し、ノイズを低減することでカテーテル等の視認性を大幅に向上することに成功した。また、新たなコンセプトで開発したX線制御技術によって、より安全で確実な治療環境を提供する。
Alphenix / Evolve Editionは循環器内科をはじめとした、冠動脈に対するカテーテル治療に携わる医療従事者をサポートする。
なお、8月4日(金)~6日(日)に福岡で開催される 第31回日本心血管インターベンション治療学会学術集会(CVIT2023)においてAlphenix / Evolve Editionの展示を行う。
「αEvolve Imaging」(アルファ イヴォルヴ イメージング)※2はディープラーニング技術を用いた画像処理である。
αEvolve Imagingは透視画像のノイズをリアルタイムに低減するとともに、ガイドワイヤ・冠動脈ステント※3などのデバイスや造影血管のコントラストを高め視認性を向上する。
これによって、医療従事者のニーズに応じた画像を提供し、診断・治療に専念できる環境を実現する。また、低線量の条件においてもカテーテル治療に求められる画質を維持し、患者の被ばく低減を実現する。
新たな制御技術「ECG Sync」(イーシージー シンク)は心電図波形に連動してX線の照射を行う。心電図の波形に同期したタイミングでX線を照射することで心拍動の影響を低減し、動きの少ない冠動脈画像が得られる。
冠動脈の慢性完全閉塞病変(Chronic Total Occlusion:CTO)※4に対するカテーテル治療では緻密な手技が求められるが、従来の拍動する冠動脈の画像では、正確なデバイス(ガイドワイヤ、カテーテルなど)の操作は困難であった。
ECG Syncが提供する画像により、難易度の高い症例においても、より安全で精度の高い手技が可能となるとともに、治療時間の短縮も期待される。また、X線の照射回数を減らすことにより(従来の1/7~1/10程度)、患者の被ばく低減に貢献する。
・キヤノンメディカルシステムズ 製品紹介ページ
https://jp.medical.canon/products/angiography/universal_angio/alphenix_evolve_edition
一般的名称:据置型デジタル式循環器用X線透視診断装置
販売名:X線循環器診断システム Alphenix INFX-8000V
認証番号:218ACBZX00001000
※1 Alphenixシリーズのオプションである。組み合わせ可能なシステムに関しては同社担当者にお問い合わせ。
※2 本システムは設計段階でディープラーニング技術を用いており、本システム自体に自己学習機能は有していない。
※3 金属製の筒で網目状の構造をしており、先端にバルーンのついた管で血管内を拡張後に留置される。血管がまた狭くならないように支える役割をする。
※4 慢性完全閉塞病変(CTO):3ヵ月以上にわたって冠動脈が閉塞している病変である。CTOに対するカテーテル治療は難易度が高く、治療が長時間に及ぶ場合もある。
▪問い合わせ
キヤノンメディカルシステムズ株式会社
https://jp.medical.canon/
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