島津製作所は、病院向けデジタル問診サービス「Hospital(ホスピタル) Essentials(エッセンシャルズ)™」を開発した。8月から、社会実装に向け、本サービスの試用版提供を開始する。
本サービスは、患者のスマートフォン(以下、スマホ)にインストールしたアプリ「Hospital Essentials」を使って、受診に必要な様々な情報を病院側の受付システムと連携させ、患者の待ち時間短縮と院内業務の効率化を図るサービスである。
受診時の手続き、問診などがスマホ利用でスムーズに行え、医師や診療科スタッフ、事務スタッフの業務効率向上に役立ち、患者にとってもメリットある新たなサービスを提案する。
近年、医療機関の働き方改革、特に医師の長時間労働への対策が喫緊の課題とされている。2017年の厚生労働省科学特別研究での「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」では、医師は患者への説明以上に、医療記録(電子カルテへの記載)に時間を要していると報告されている。
初診受付では、患者情報の登録や診療科案内などに手間と時間がかかっている。さらに、感染症対策のため、患者と医療従事者の対面時間を最小とする効率的な医療提供も望まれている。
患者は、場所を選ばずスマホで氏名などの基礎情報のほか、事前問診も回答できるので、受付での待ち時間を短縮できる上、診察もスムーズになり、院内滞在時間の短縮が図れる。
本サービスの問診は、医療現場で必要な内容をわかりやすく効率的に回答でき、問診による的確な症状把握で適切な診療科案内ができる。
その後、スマホに届く診療科専用の詳細問診に回答することで、医師に病状が詳細に伝わる。本アプリには、子どもや要介護者など自身での回答ができない場合に家族が代理回答できる家族登録機能も備えている。
本サービスで、効率良く患者の病状把握ができる。問診内容は、最適な医療用語に自動変換されて送られてくるので、電子カルテにコピー&ペースト機能で簡単に記載でき、手入力の手間を大幅に省くことができる。
受診時に必要な患者さんの基礎情報、問診内容をスマホのQRコードを読み取ることで受付システムにダウンロードされる。これにより院内情報システムへの患者登録などの事務作業もスムーズである。
「Hospital Essentials」に搭載するデジタル問診技術は、株式会社flixyの「メルプWEB問診」をベースに医師監修で共同開発したものである。
「メルプWEB問診」は、クリニック向けのデジタル問診システムとして、すでに国内の約900施設で利用されているもので、病院市場への新たな展開として今回の協業が実現した。
問診回答データは、株式会社flixyと同社のクラウドサーバを通して院内の受付システムに連携されるが、患者の氏名などの基礎情報はクラウド上に保存されず、受付でのQRコード読み取り時にスマホからダイレクトに受付システムに連携され、院内でデータ照合される。
クラウド上の問診回答データだけでは個人を特定することはできないため、セキュリティ面でも安心して使用できる。
同社は今後、「Hospital Essentials」に呼出や電子診察券などの機能を追加していく。また、受付システム「MERSYSシリーズ」もさらなる機能充実を計画しており、スマートで新しい外来受診のスタイルを提案することで、多忙な医療機関の課題である業務効率の向上につなげていく。
なお、本サービスを7月28日~29日にパシフィコ横浜で開催される、医療情報システム、病院機器などの展示会「国際モダンホスピタルショウ2021」に出展。
※同社が販売する「MERSYSシリーズ」は、島津エス・ディー(株)が開発・製造している。
関連先リンク:https://www.shimadzu.co.jp/
TEL:075-823-1271
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