オリンパス株式会社は、閉塞性黄疸※1などのドレナージ治療に用いる胆管チューブステント「UMIDAS NB ステント(ウミダス エヌビー ステント)」を2020年12月4日(金)から日本国内で発売する。
本製品は、口から挿入した十二指腸内視鏡を通じて十二指腸乳頭部から胆管にアプローチする内視鏡処置具の一つで、胆石や腫瘍などの圧迫によって狭くなった胆管を広げて胆汁の流れを改善するために用いられる。
内視鏡的胆管ドレナージ※2(以下、EBS)と内視鏡的経鼻胆管ドレナージ※3(以下、ENBD)を組み合わせることで、従来必要だったステントの入れ替えを不要とし、2度行っていた内視鏡手技を1度で行うことを可能とした。
これにより、医師・患者の負担軽減に貢献することが期待される。
1. EBSとENBDを組み合わせた2in1デバイス
2.食物残渣付着によるステント閉塞のリスクを低減するインサイドステントを採用
製造元はシルックス株式会社、製造販売元はUMIDAS株式会社。
閉塞性黄疸は胆管が閉塞し、胆汁を胆管外へ排出できなくなることで発症する。胆管を閉塞させる要因の一つである胆管がんや胆石の症例数は、近年の高齢化に伴い増加傾向にある。
閉塞性黄疸などの治療には、胆管から鼻孔に長いチューブステントを繋ぎ、体外へ胆汁を排出させるENBDと、短いチューブステントを体内に留置し、胆管から十二指腸へ胆汁を排出させるEBSがある。
一般的に、初期治療時は胆汁の性状や量の判定が行いやすいENBDを使用されることが多い一方、患者にとっては、鼻からチューブが出ていることによる事故抜去※4の恐れもあり、また日常生活への支障や不快感が大きくなる。
そのため、後日EBSへ切り替えるため、再度内視鏡手技を伴うことがある。
本製品はEBSとENBDを組み合わせた2in1の胆管チューブステントのため、新たなステントへの入れ替えが不要である。
ENBDは内視鏡を用いずにX線の透視下で抜去できるため、従来行っていた2度の内視鏡手技を1度に行うことができる。これにより、医師・患者の負担軽減に貢献することが期待される。
本製品は、EBSとENBDを組み合わせた2in1の胆管チューブステントである。ENBDからEBSに切り替える内視鏡手技が不要となり、医師・患者の負担軽減に貢献することが期待される。
EBSにおいて主流であるアウトサイドステント※5は、食物残渣の付着によりステントが閉塞するリスクや、留置のため十二指腸乳頭を切開しなければならないという課題があった。
本製品はステントを十二指腸乳頭から出さずに胆管内に留置するインサイドステントを採用している。
これにより、十二指腸乳頭の切開が不要となり乳頭機能温存に貢献し、食物残渣がステントに付着し閉塞してしまうリスク低減をサポートする。
本リリースに掲載されている社名および製品名は各社の商標または登録商標である。
※1 胆管がつまって本来胆管外に排出される胆汁が血液の中に逆流することで、血中のビリルビンが増加し、白目や皮膚が黄色くなる症状。長引くと、肝臓などの臓器障害や胆管炎を引き起こし重篤な状態に陥ることもある。
※2 胆管の十二指腸への出口である十二指腸乳頭にドレナージチューブ(細い排出用の管)を挿入し、胆汁の流れを維持する方法。
※3 十二指腸乳頭に挿入したドレナージチューブを鼻腔まで通し、胆汁を鼻から体外に出す方法。
※4 患者さん自身がチューブを抜いてしまう、もしくは固定不良や牽引などによりチューブが不意に抜けてしまうこと。
※5 十二指腸乳頭から先端を少し出すかたちで留置するステントのこと。
関連先リンク:http://www.olympus.co.jp/
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