オリンパス株式会社は、内視鏡医が不足するインドでの内視鏡診断の普及のために、総務省プロジェクト「インドにおける超拡大内視鏡によるAI 診断支援システムの国際展開に向けた調査研究」に事業推進者として参画した。
インドの大手医療機関Asian Institute of Gastroenterology(インド・ハイデラバード、以下AIG)に、サイバネットシステム株式会社の協力のもと、内視鏡AI診断支援システムを設置し、昭和大学横浜市北部病院の医師が講師としてAIGの医師に大腸内視鏡による病変の検出から鑑別診断までのトレーニングを実施し指導医を育成する。
本プロジェクトは10月12日から本格スタートした。キックオフ会議において総務省大臣官房・辺見 聡審議官は、以下ように述べた。
「インドにおいてAI内視鏡システムの指導者を育成するトレーニングを通じ、このシステムの普及とインドの医療の向上に寄与したい。また、インドと日本の医療ICT分野の協力関係がますます発展することを願っております。」
また、昨年発売済みの超拡大内視鏡Endocyto※1に加え、トレーニングの対象機器であるAIを搭載した内視鏡画像診断支援ソフトウェア「EndoBRAIN※2」および「EndoBRAIN-EYE※3」を12月からインドで発売を開始し、医師の育成支援とともに内視鏡診断の普及を目指す。
※1 最大520 倍の光学拡大機能により、リアルタイムに細胞レベルでの生態観察が可能な内視鏡。
※2 超拡大内視鏡で撮影した大腸病変をAIがリアルタイムで解析し、腫瘍性ポリープ・非腫瘍性ポリープの可能性を数値で示すことで、医師によるポリープの判別を補助する疾患鑑別用の内視鏡画像診断支援ソフトウェア。
※3 通常の大腸内視鏡を用いて、病変が映っているかを推測することで医師の診断を補助する内視鏡画像診断支援ソフトウェア。
インドでは経済成長に伴って、がん罹患率も増加することが予想されている。一方で、がんの早期発見や治療に欠かせない内視鏡の精密診断を行える医師の数が圧倒的に不足している。
同社は、トレーニングを受けたAIGの指導医がインド及び周辺国の医師を育成し、最新のAI技術を活用した内視鏡診断の普及・発展に貢献することを目的に本プロジェクトに参画した。
総務省は、SDGsが掲げている「地球上の誰一人として取り残さない社会の実現」に向けて、デジタル化によるSDGs貢献モデルの具体化や官民一体となって国内外へのSDGs×ICTモデルの発信・推進を目指している。
本プロジェクトでは、インドでのがん罹患率の増加という社会課題に対して、日本が強みを有する内視鏡AI診断支援システムのインドおよび周辺国への導入・普及の貢献を目的としている。
1)インドにおける医療保健健康分野の政策に関する現状調査、および、インドにおける医療ICT化の現状調査大手医療機関や外部調査機関より情報収集を行い、内視鏡システムを含む医療システムなどの普及について調査する。
2)インドにおける実証実験による検証昭和大学横浜市北部病院の医師が、講師としてAIGの医師に対し大腸内視鏡による病変の検出から鑑別診断までのトレーニングを実施し、指導医の育成をする。同社は機材提供およびトレーニングコースのアレンジを行う。
関連先リンク:https://www.olympus.co.jp/
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