窪田製薬ホールディングス株式会社は、同社100%子会社のクボタビジョン・インク (以下 クボタビジョン)が開発する遠隔医療眼科網膜モニタリング機器「PBOS」(Patient Based Ophthalmology Suite)におきまして、AI(Artificial Intelligence:人工知能)による機械学習の結果、網膜断面画像の3D化に成功した。
網膜の中でも視力を司る視細胞の集中している黄斑部の浮腫などの変性は、通常、医療施設において、精密な断層像が得られる据え置き型のOCT(光干渉断層計)を使って検査をする。
しかし、同社が開発する「PBOS」は、必要最低限の機能に絞ることで超小型化・軽量化し、またネットワーク機能を持たせることで患者自身が自宅で網膜の状態を検査することができる遠隔医療の実現を目指している。
開発につきましては、2020年7月に初期型の量産型試作機が完成しており、現在は3D画像機能を含めたさらなる機能改善のため、ソフトウェア改良を行っている。
3D画像が作成されることにより、網膜の厚さの測定精度が高まるだけでなく、組織からの滲出された液成分の滞留の有無を検出することが可能となる。
これは、現在模索しているパートナー企業との共同開発、商業化に向け、同社製品の価値を高めるものと考えている。
本件について、同社の代表執行役会長、社長兼最高経営責任者の窪田良博士は次のようにコメントしている。
「当社では、眼科領域のビッグデータカンパニーを目指し、データの集積と活用を推進しております。われわれのPBOSは、IOT(Internet of Things)を駆使してデータの集積をするだけでなく、AIによる機械学習で3D画像を生成することにも成功しています。
世界の眼科医療のクオリティをさらに高めるためにも、一刻も早くこのデバイスを世の中に普及させていきたいと思います。」
■PBOSについて
高齢化が進む中で、今後はインターネットの普及に伴って遠隔医療分野が充実することが見込まれる。
重度の網膜疾患においては、高価な薬剤を1ヵ月あるいは2ヵ月ごとに繰り返し眼内注射で投与することが多く、最適なタイミングでの治療の実現が課題になっている。
こうした背景から、同社では、ウェット型加齢黄斑変性や糖尿病黄斑浮腫等の網膜疾患の患者が、在宅あるいは遠隔で網膜の状態を測定するデバイスとして超小型モバイルOCTを開発している。
インターネットを介して、網膜の構造の変化といった病状の経過を、医師が遠隔で診断できるシステムを確立することにより、個々の患者に最適な眼科治療を実現し、眼の健康維持を目指す。
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