2026.09.03
エルピクセル、胸部X線診断支援AI「EIRL Chest Screening」を大幅アップデート~対象所見の網羅性の向上とコンカレントリードへ対応:施設のニーズに応じた柔軟なカスタマイズで医師の読影業務を支援~
2026年9月3日、エルピクセル株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:鎌田富久、以下「エルピクセル」)は、胸部X線画像の読影診断を支援する「EIRL Chest Screening」(*1)において、新たに「多発粒状影」「空洞影」の検出とコンカレントリード(同時読影)に対応した新バージョンを発売した。
EIRL Chest Screeningは、胸部X線画像から肺結節、浸潤影、無気肺、間質性陰影の候補域を検出する異常陰影検出機能(*2)と、胸腔内の空気含有面積・肋骨横隔膜角・心胸郭比・縦隔幅・大動脈弓径の5つの自動計測機能(*3)を組み合わせた製品である。製品発売以来、クリニックから大規模健診施設まで幅広く導入され、医師のワークフローを阻害することなく、読影診断における物理的・心理的負担の軽減を目指してきた。発売後も、医師のニーズに合わせて、精度改善や機能追加など複数回のバージョンアップを行ってきたことも本製品の特長である。
今回は異常陰影検出機能(*2)のアップデートにより、性能改善のみならず、検出対象所見の拡大により「読影の網羅性」を向上させたほか、所見名・確信度など表示できる項目を増やしつつ医療機関の属性や医師の読影スタイルに応じてAIの表示内容を柔軟に調整できるカスタマイズ機能を多数搭載。さらにコンカレントリードで使用することも可能になり、読影効率向上により、深刻化する医師不足や「医師の働き方改革」に伴う負担軽減、そして地域医療における医療の質の均てん化に貢献するソリューションとして、全国の医療機関へ普及を加速させていく。
■ 開発の背景:「読影効率向上」と「見落とし防止の支援」の両立を目指して
日本の医療現場において、胸部X線検査は健康診断や日常診療で最も一般的に行われる画像診断の一つだが、読影を専門としない一般内科等の医師が読影を行うケースも多く、慢性的な放射線科専門医不足が課題となっている。また、2024年4月から本格始動した「医師の働き方改革」に伴い、限られた時間内で大量の画像を正確に読影する「時間短縮」と「質の担保」の両立が強く求められている。
実際の診療や健診における胸部X線画像には、単一の病変だけでなく、複数の異なる疾患に起因する画像所見が混在しているケースが少なくない。エルピクセルはこれらの課題に対し、これまでの「結節影などの4つの異常陰影候補領域」と「心胸郭比などの5つの自動計測」を対象に診断支援機能を提供してきた。今回は、新たに結核などの感染症にみられる「多発粒状影」「空洞影」を追加した。AIの網羅性を高めることで、多岐にわたる画像所見の検出を包括的に支援し、医師の心理的・物理的負担の軽減を目指す。さらに、医師の読影と同時にAIの結果を表示するコンカレントリードへの対応など、読影効率の向上も目指している。
■ 今回のバージョンアップの特徴
1. 6所見対応による「読影の網羅性」の向上
従来の4所見(結節影、浸潤影、無気肺、間質性陰影)に、新たに「多発粒状影」と「空洞影」を加えた「6所見」が検出対象となりました。 網羅性を高めたことで、多岐にわたる画像所見の検出を包括的に支援する。これにより、「一つの病変に気を取られ、別の病変を見落とす」といったリスクや読影時の精神的不安の低減を目指す。
- 多発粒状影: 肺野内に多数の微小な粒状の陰影が散在する状態。粟粒結核や間質性肺炎、転移性肺腫瘍などの初期徴候の可能性がある。
- 空洞影: 肺胞などの組織が壊死して穴があき、空気が溜まった状態。肺結核や肺真菌症、肺がん等で見られる所見である。
2. 読影をより効率的に行うための「コンカレントリード」への対応
医師が単独で読影した後にAIの結果を確認する従来の「セカンドリード」に加え、医師の読影と同時にAI解析結果を参照できる「コンカレントリード」に新たに対応した。これにより、読影にかかる時間を短縮するためのより効率的な読影ワークフロー構築が期待される。
3. 医療機関の属性・ニーズに合わせてAIを最適化
機能の拡充に伴い、医師の読影スタイルや施設のニーズに応じて、AIの出力情報や機能を最適にカスタマイズできるよう設計されている。
- 対象所見選択機能:6所見すべてを出力する「6所見表示モデル」と、見落としの致命的な「結節影」のみを出力する「結節影表示モデル」を施設ごとに選択可能である。これにより、「肺がん検診で結節影の検出に集中して視認性を高める」「外来診療で幅広い可能性を疑って6所見全てを広くチェック」といった施設のユースケースに応じた使い分けが可能である。
- 確信度・所見名表示機能のオンオフ:「AIが判定した確信度・所見名を表示」するか、あるいは「検出枠のみのシンプルな画面にする」かを施設ごとに切り替えられる。
- 読影方法の選択:新機能のコンカレントリードか従来のセカンドリードかを施設ごとに設定可能である。AIのバイアスを受けずに読影したいという従来のセカンドリードのニーズにも応えることができる。
- 性能バランスの調整(既存機能):拾い上げを重視する「感度優先モード」と、誤検出を極力少なくしたい「特異度優先モード」の2つのモードから、施設ごとに選択可能である。
■ 今後の展望:バージョンアップを繰り返しAIの支援を世界中で標準化
エルピクセルは、画像診断支援AIを「日常のワークフローの一部」として医療の標準的なインフラにすることを目指し、主要なPACSベンダー各社とのシームレスなシステム連携やユーザーの声を反映した迅速なアップデートを推進してきた。AIの特性や強みと医師の総合的な判断力を組み合わせることで、安全で質の高い医療を提供できる社会の実現に貢献する。さらに、国内の医療現場への普及を足がかりに、グローバル市場への展開も進めており、医療AIであるべての人に健康な未来を届けられることを目指していく。
*1 EIRL Chest Screeningは製品の総称である。
販売名:医用画像解析ソフトウェア EIRL Chest XR、 製造販売承認番号:30400BZX00285000
販売名:医用画像解析ソフトウェア EIRL Chest Metry 製造販売認証番号:302AGBZX00101000
*2 販売名:医用画像解析ソフトウェア EIRL Chest XR、 製造販売承認番号:30400BZX00285000
*3 販売名:医用画像解析ソフトウェア EIRL Chest Metry 製造販売認証番号:302AGBZX00101000
【エルピクセル株式会社について】
エルピクセル株式会社は「医療AIであるべての人に健康な未来を」を掲げ、医療AIの研究開発・社会実装を進めている。オープンイノベーションのハブとしてパートナーの皆様と連携し、予防・診断・創薬・手術など医療のあらゆる分野の課題に対して、革新的なプロダクトを提供していく。医師の診断を支援する画像診断支援AI「EIRL(エイル)」、創薬・アカデミア向け画像解析AI「IMACEL(イマセル)」を軸に事業を展開している。
・コーポレートサイト:https://lpixel.net/
・公式ブログ(note):https://note.com/lpixel/
【画像診断支援AI技術について】
エルピクセルが提供する画像診断支援AI「EIRL(エイル)」シリーズは、胸部X線、CT、内視鏡、MRIなどの医療画像を解析し、医師が効率的で正確な診断を行える環境を提供する。これまでに大学病院から診療所まで1200施設以上に幅広く導入され、47都道府県すべてで活用されており、総解析件数は1600万件(2026年2月末時点、トライアル含む)を突破している。
・EIRLプロダクトサイト(医療従事者向け):https://eirl.ai/ja/
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