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2025.08.08

千葉西総合病院が手術支援ロボット「ダビンチ5」による心臓手術の国内初症例を実施~患者さんの身体的負担を大幅に軽減し、早期回復に貢献~

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千葉西総合病院(所在地:千葉県松戸市金ケ作、病院長:三角 和雄)は、このたび国内初となる最新鋭の手術支援ロボット「ダビンチ5(daVinci5)」を活用した心臓手術(僧帽弁形成術および大動脈弁置換術)の実施に成功した。

ダビンチ5(システム全体)


■背景:心臓手術の課題とロボット支援手術への期待

これまで心臓手術の多くは、胸骨を大きく切開する開胸手術が主流だった。しかし、この方法は患者さんの身体的負担が大きく、術後の回復に時間がかかるという課題があった。

この課題を解決するため、MICS(低侵襲心臓手術)と呼ばれる、切開創の小さい(5cm程度)もしくは人工心肺を使わない、身体的負担の少ない心臓手術が開発された。さらに2018年の保険収載を契機に手術支援ロボット「ダビンチ」を用いる手術が心臓分野でも実施されるようになった。ロボットによる心臓手術は従来型のMICSに対して、より低侵襲で正確かつ安全な手術を実現した。

このたび導入した「ダビンチ5」は最新世代の手術支援ロボットで、高精細で拡大表示も可能な3Dハイビジョン画像と、手ブレの排除、広い可動域を持つ鉗子、力覚フィードバック機能が特徴である。これにより医師はより安全に正確で繊細な手術操作が可能となる。

なお「ダビンチ5」は2025年7月に国内導入が開始された米インテュイティブサージカル社製の第5世代目にあたる手術支援ロボットである。同院は国内最初期導入施設全7施設のうちの1つとなる。国内最初期導入施設でロボットによる心臓手術が実施可能な施設として認定を受けているのは同院千葉西総合病院と九州の1施設のみとなっている。

術中写真(手術室全体)

■手術概要と「ダビンチ5」の貢献

同院の心臓血管外科チームは、心臓血管外科主任部長 中村 喜次の執刀のもと、2025年7月22日に50代の男性に対し、ダビンチ5を用いた僧帽弁形成術を実施した。また、翌7月23日には70代の男性に対するダビンチ5を用いた大動脈弁置換術を実施した。いずれの手術も無事成功し、患者さんは術後順調に回復され、すでに退院されている。

■執刀医【心臓血管外科主任部長 中村 喜次医師】のコメント

「今回の成功は、心臓外科分野におけるロボット支援手術の新たな可能性を示すものです。ダビンチ5の導入により、これまで以上に精密な手術が可能となり、力覚フィードバック機能がさらに安全な手術を可能とします。これらの革新によって患者さんの早期社会復帰が期待できます。今後も、この先進技術を積極的に活用し、心臓病で苦しむ多くの患者さんにとって、より良い選択肢を提供できるよう尽力してまいります。」

術中写真(執刀医)

■今後の展望

同院は、今回の成功を機に、心臓血管外科領域での「ダビンチ5」の活用を拡大していく。これからも、患者さんの生活の質(QOL)向上を目指し、最先端の医療を提供することで地域医療に貢献していく。

■千葉西総合病院について

千葉西総合病院は、1990年に開院した、救急医療から先進医療までを担う全33診療科からなる地域の中核病院である。「生命だけは平等だ」の基本理念のもと、年中無休・24時間体制で患者さん一人ひとりに寄り添った医療を提供している。

心臓血管外科分野では、早期より低侵襲心臓手術(MICS)を手掛け、年間の開胸手術が700件を超えるハイボリュームセンターである。ロボット心臓手術の延べ件数は900件を超えており、国内屈指の治療施設と言える。

■病院概要

名称  :医療法人徳洲会 千葉西総合病院
所在地 :千葉県松戸市金ケ作107-1

病院長 :三角 和雄
診療科目:内科 循環器内科 心臓血管外科 消化器外科 乳腺外科
     整形外科 脳神経外科 形成外科 頭頸部外科ほか 全33診療科
病床数 :680床

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