2020.04.15
シーメンスヘルスケア株式会社は、AI技術を用いて開発された全自動撮影システム「myExam Companion(マイイグザム コンパニオン)」を搭載した、新型シングルソースCT装置「SOMATOM X.cite(ゾマトム エキサイト)」の販売を2020年4月15日より開始した。
myExam Companionにより、あらゆる状況下で患者一人ひとりの状況やニーズに合った最適な画像を、技術者の経験レベルや環境に依存せずに、常に一貫したクオリティで提供できるインテリジェントイメージングを実現する。
放射線検査の件数や複雑さが増す一方で、スタッフ不足や長時間労働、放射線技師に対する高い技術レベルの要求などが、放射線科における大きな課題となっている。また、近年はCT装置自体の高機能化が進み以前より高度な検査が可能になっているが、労働時間や人手不足などの問題により、その機能を十分に活用できている施設が限られている。SOMATOMX.citeはこのような状況の大幅な改善が期待できるCT装置である。
■myExam Companion
myExam Companionは、AIを使用した膨大な撮影プロセスの分析により、CT検査全体の自動化を実現した。一般的にCT検査では、患者ケアから検査内容の確認、撮影後の画像作成までの過程において、技師の経験や多くの時間が必要である。
myExam Companionは、患者の性別や年齢、身体的特徴などのデータに加えて、いくつかの質問に回答するだけで、患者に合わせた最適な撮影プロトコルを自動的に作成し検査を実施することが可能である※1 。検査後は診断に必要な画像や解析結果を自動的※2に作成した後、診断医へ転送する。技師の経験に関わらず、高品質で一貫性のある画像の提供が可能なため、検査結果の標準化に繋がるほか、これまで経験豊富な医者や技師がいない施設では難しかった、高度な検査をどこでも実施することができる。また、検査ワークフローの大幅な向上により作業時間の短縮が期待され、働き方改革にも大きく寄与する。
■SOMATOM X.cite
SOMATOM X.citeは、これまでデュアルソースCT装置「SOMATOM Force(ゾマトム フォース)」にのみ使用されていたX線管「Vectron」を搭載し、的確な診断を可能にする優れた撮影能力を有する。
さらに、超低被ばくCT検査を可能にする「Tin fi lter technology」、さまざまな撮影における画像ノイズを低減する検出器「Stellar infi nity Detector」、患者に合わせた最適なポジショニングを可能にする「FAST 3D Camera」、患者のそばで操作を行えるタブレット端末など、SOMATOMシリーズのCTで培われてきた数多くの最新技術を搭載し、同社のCT装置の集大成といえる装置である。
■今後の展望
同社は、放射線診断のデジタル化を推進している。AIを用いた開発により、同社が目指すのは医療提供の変革である。myExam Companionを搭載したSOMATOM X.citeは、長年にわたり培ってきた技術とデジタルテクノロジの融合により、患者一人ひとりに応じた最適な検査を実施し、一貫性のある結果を提供することで、診断の質の向上と効率化に貢献するとしている。
※1 最終的な検査プロトコルは、操作者による確認が必要
※2 あらかじめ技師や医師が定めた設定に従う

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