2025.04.04
富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤 禎一)は、マルチスライスCTシステムの新製品「FCT iStream Plus(エフシーティー アイストリーム プラス)」*1を富士フイルムメディカル株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:川原 芳博)を通じて6月2日より発売する。
本製品は、2023年12月に発売した「FCT iStream」の高画質な画像の提供と検査ワークフローの効率化のコンセプトをそのままに、CT撮影時に心臓の動き(拍動)によって生じる画像のブレを低減する技術を新たに搭載。また、AI技術*2を活用して開発した自動化ソリューションも搭載し、検査ワークフローの効率化を実現した64列128スライスのCTシステムである。
富士フイルムは、4月11日~13日にパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催される「2025 国際医用画像総合展(ITEM2025)」に「FCT iStream Plus」を出展する。
近年、高齢者の人口増加や生活習慣の変化などにより、健康状態の把握や正確な診断、適切な治療に対する医療ニーズがますます高まっている。このような中、予防・診断・治療の幅広い領域で有用な画像診断装置であるCTの利用機会が増え、それに伴い高画質な画像をより効率的に取得できるCTが求められている。
今回販売を開始する「FCT iStream Plus」は、高画質化機能と自動化ソリューションの適用対象を拡大したモデルである。心臓CT撮影時に生じる拍動による画像のブレを低減する機能Cardio StillShot*3と、胸部CT撮影時に体動による画像のブレを低減する機能Body StillShot*3により、画像診断の精度向上をサポートする。また、AI技術を活用して開発した機能で、寝台上の被検者の特徴点を検知し、スキャノグラム撮影*4開始位置に寝台を移動する自動ポジショニング機能AutoPositioning*2*3*9と、撮影されたスキャノグラムから撮影範囲を自動設定する機能AutoPose*2*3*10を搭載した。このようなAI技術を活用して開発した自動化ソリューションにより、検査効率の向上に寄与する。更に、3D画像解析システム「SYNAPSE VINCENT Core(シナプス ヴィンセント コア)」*5を搭載したことで、医療現場でのシームレスな検査・診断を支援する。
同社は、画像の高画質化と検査効率化をもたらす価値提供を推進することで医療現場を支援し、人々の健康維持増進に貢献していく。
*1 FCT iStream Plusは、FCT iStreamの操作卓CT-OC-23D搭載モデルの呼称である。
*2 AI技術のひとつであるDeep Learningを活用して開発した機能である。導入後に自動的に装置の性能・精度が変化することはない。
*3 オプション機能である。
*4 スキャノグラム撮影は、CTにおいて撮影範囲を決めるために最初に行う撮影である。
*5 SYNAPSE VINCENT Coreは、SYNAPSE VINCENTの多彩な解析アプリケーションのうち放射線科領域向けの解析機能に特化したソフトウェアである。
3D画像解析システム SYNAPSE VINCENT
販売名:富士画像診断ワークステーション FN-7941型
医療機器認証番号:22000BZX00238000
記
全身用X線CT診断装置 FCT iStream
医療機器認証番号: 第305ABBZX00027000号
2025年6月2日
(1)心臓CT撮影時の拍動による画像のブレを低減
心臓CT撮影後、画像処理時に心臓の動きを推定し、拍動によって冠動脈など心臓部分に発生する画像のブレを低減する技術Cardio StillShotを搭載。これにより高い時間分解能*6を実現し、常に動いている心臓の撮影において、ブレの少ない画像を提供する。
(2)胸部撮影時の拍動による画像のブレを低減
拍動による画像のブレを低減する機能として、肺野・縦隔・大血管など胸部領域のCT撮影時に適用可能なBody StillShotを搭載。Body StillShotは、収集したRaw Dataから被写体の動く方向と量を4次元的に算出*7する際に、体軸方向の連続性を広範囲に維持することでブレの少ない画像を提供する。心電情報を必要としない演算アルゴリズムを採用しているため、胸部ルーチン検査への適用が可能である。AI技術を活用して開発した画像再構成技術IPV*8との併用もでき、さらなる高画質化に寄与する。
(3)AI技術を活用した自動化ソリューションにより検査ワークフローを効率化
AutoPositioningは、富士フイルムが培ってきた画像認識技術を活用して開発した、撮影前のポジショニングをサポートする機能である。天井に取り付けた3Dカメラが寝台上の被検者の特徴点を検知し、スキャノグラム撮影開始位置を予測・表示。ワンボタンでスキャノグラム撮影開始位置に寝台を移動する*9。AutoPositioningの適用対象部位は14部位で、フィートファースト、ヘッドファースト、腹臥位などのセッティングにも適用できる。
AutoPoseは、スキャノグラムから撮影範囲を自動設定*10する機能である。「FCT iStream Plus」では、画像認識技術を活用し、AutoPoseの適用対象部位を4部位から14部位に拡大。撮影位置の再現性や検査効率の向上に寄与する。AutoPoseは、あらかじめ撮影範囲のマージンを設定できるため、施設ごとの運用に応じたカスタマイズも可能である。
(4)画像解析のスループットを向上
「FCT iStream Plus」のCTコンソールに、国内外で多くの医療機関への導入実績を持つ3D画像解析システム「SYNAPSE VINCENT」の基本機能と臓器抽出技術を採用したことで、画像解析のスループットが向上している。また、撮影した画像を「FCT iStream Plus」のコンソールに保存すると撮影直後からコンソールにインストールされている「SYNAPSE VINCENT Core」で画像解析できる。
*6 時間分解能とは、どれだけ短い時間で撮影対象の経時的変化を検出できるかという能力を示す指標である。心臓CT撮影では、時間分解能が高いほど、ブレの少ない鮮明な画像を構築することができる。
*7 4次元的:X、Y、Z軸に時間軸を加えて算出する。
*8 IPVはIterative Progressive reconstruction with Visual modeling の略称である。AI技術のひとつである Machine Learningを活用して開発した機能である。導入後に自動的に装置の性能・精度が変化することはない。
*9 位置決め時の寝台移動を補助する機能であるため、投光器(ライトローカライザ)を用いて、操作者が最終的に目視及び手動で位置決めする必要がある。
*10 自動算出された撮影範囲は操作者による確認、調整が必要である。
▪問い合わせ
富士フイルムメディカル株式会社
マーケティング部
E-mail:shm-fms-hansoku@fujifilm.com
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