2025.03.25
●臨床検査データから医療画像、動画、テキストデータまで、患者さんに関連する情報を1つのプラットフォームで一元管理が可能になり、データの処理・管理を効率化
●AIによる高度な画像解析処理と読影支援により、迅速で高精度な診断ワークフローに貢献
●患者さんに紐づくさまざまなデータをAIが構造化し、治療に役立つレポートを自動作成
●装置の稼働状況の確認や遠隔検査の支援まで、診療科全体の業務効率化に貢献
シーメンスヘルスケア株式会社(東京都品川区、代表取締役社長: 櫻井 悟郎、以下 シーメンスヘルスケア)は、これまでPACSやVNA(Vendor Neutral Archive)※1で保存・管理されていた医用画像データに加え、病理画像、検体検査データ、手術動画、テキストデータなど、非DICOM画像を含めた複数の診療科の医療情報データを一元的に管理する統合型医療情報プラットフォーム「Syngo Carbon」を3月25日より発売する。
医療画像診断技術は日々進化しており、それに伴って生成される医療データの容量も増加の一途をたどっている。また、診療科ごとに、画像管理、アーカイブ、および所見作成のための独自のシステムが存在し、医療従事者は1人の患者さんに関する情報を集める際に、診療科やモダリティ、データ形式ごとに異なるアプリケーションにアクセスし、膨大なデータを素早く処理・解析する必要がある。昨今の医師の働き方改革や医療従事者の不足という観点からも、医療データ管理およびその処理・解析に関する業務の効率化が求められている。
Syngo Carbonは、こうした医療現場の課題に応えるべく、非DICOM画像を含めた複数の診療科の医療情報データを一元的に管理可能にすることで、患者さんに関するデータの解析・レポーティング業務を効率化することが可能となる。また、50以上のAIアプリケーションを含む約100種類のアプリケーションを使用することができるため、高精度な画像再構成、読影支援、リアルタイムな診療データの反映が行われることで、疾患の進行度合いまでを加味した精度の高い診断および治療計画の作成に貢献する。
Syngo Carbonは、電子カルテを含む既存のHIS(病院情報システム)やRIS(放射線科情報システム)に簡単に接続でき、これまでPACSやVNAで保存・管理されていた医用画像データ(DICOMデータ)に加え、病理画像、検体検査データ、手術動画、テキストデータなど、非DICOM画像を含めた複数の診療科の医療情報データを一元的に管理することが可能になる。複数のシステムにアクセスする必要なく、患者さんに関するさまざまなデータを直感的な読み取りや操作が可能な1つのインターフェースで確認・管理することにより、診断やレポーティングのために重要となる医療データの処理・解析のための負荷や時間を減らすことができる。
また、一元管理された医療情報はクラウド、オンプレミスいずれの方法でも共有することが可能なため、1つの施設内の複数の診療科で患者さんの情報を共有できるだけでなく、地理的に離れたグループ病院内、あるいは1つの自治体に属する全ての医療機関の間など、組織のネットワーク全体で1人の患者さんの情報を管理できるようになる。それにより、患者さんの診療履歴の照会にかかる時間の短縮や、患者さんに関するあらゆるデータに基づく最適な診療の提供の実現に貢献する。
Syngo Carbonでは、同社独自のAIによる画像解析処理、読影支援技術を活用した50以上のAIアプリケーションを含む約100種類のアプリケーションを使用することができ※2、以下のように精度の高い診断および読影業務の効率化に貢献する。
●複数のモダリティの3D/4D読影をAIがサポートすることで、読影者によるばらつきを防いで標準化。
●読影レイアウトをプリセットすることで、対象の画像を開くと同時に過去の関連画像の解剖学的位置を考慮した位置合わせをAIが自動で行い、読影を効率化。
●経時的な変化を確認するうえで重要な体積測定結果や、画像の長期的な比較などの情報を自動に整理し、レポートに反映することで、客観的な疾患の進行の理解を支援。
患者さんに関するさまざまな情報をAIが解剖学的な視点から構造化し、レポートを自動で作成する※3。業務を大幅に効率化して、医療従事者の方の作業負荷の低減に貢献しながら、治療に役立つレポートの作成を支援する。
Syngo Carbonを使って、シーメンスヘルスケアが提供する、読影支援以外のさまざまなアプリケーション※2にアクセスすることができ、PACSやVNA、ビューワとしてだけでなく、診療科全体の業務効率化につながる統合プラットフォームとして活用することができる。被ばく線量管理を行うteamplay Dose、検査装置の稼働状況を把握できるteamplay Usageなどに加え、CTやMRIの検査において、コンソール画面の共有、ウェブカメラ、チャット、音声通話を通じて熟練の放射線技師が他の技師への遠隔サポートを行うことで、検査の品質均一化と効率化を可能にする遠隔検査プロトコル支援システムsyngo Virtual Cockpitも、Syngo Carbonを起動するだけで操作をすることが可能である。
本製品に関する情報は、ホームページの製品紹介ページを参照。
https://www.siemens-healthineers.com/jp/digital-health-solutions/syngo-carbon
※1 PACSや汎用画像管理システム等から画像データを集約し、各システムの独自様式ではない、標準的なフォーマット、インターフェースで管理する仕組み
※2 これらのアプリケーションは個別に購入する必要がある。
※3 英語対応のみ。日本語は順次対応予定。

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