2024.11.06
シーメンスヘルスケア株式会社(東京都品川区、代表取締役社長: 櫻井 悟郎、以下 シーメンスヘルスケア)は、新たな空冷式デジタルPET検出器と診断用CTの被ばく線量低減技術を搭載し、高画質・低被ばくで高効率なPET/CT検査を実現するPET/CT装置「Biograph Trinion(バイオグラフ・トリニオン)」を11月6日より発売する。
・高い空間分解能と239 psの超高速TOF性能をもつ空冷式のデジタルPET検出器により、高速で被ばく線量の少ないPET撮像を実現
・画像化に寄与しない無効被ばくをカットするTin filterにより、高画質かつ低被ばくなCT検査を実現
・PET/CT装置として初めて全自動撮影システム「myExam Companion」を搭載し、検査ワークフローを自動化
・コンパクトな設置が可能で使用電力を最大65%削減する、設置性と経済性に優れた本体設計
日本では高齢化を主な要因として、がんの罹患率および死亡数はともに増加を続けており、がんの早期発見や治療効果判定に欠かせないPET検査は今後ますます重要性が増すと考えられる。また、日本においても医療従事者の不足が深刻な問題となっている中、2021年には診療放射線技師法の改正に伴う業務範囲の拡大、近年の医療機器の進歩に伴う画像データ量の爆発的な増加など、診療放射線技師の業務負荷は年々大きくなっており、診断精度のみならず、業務効率の向上が喫緊の課題となっている。本製品は、高精度なPET検査のための高画質を実現しながら、AIを駆使した全自動撮影システムにより検査のワークフローを向上する。従来製品に比べてコンパクトな設置面積で、使用電力を最大65%削減するなど、さまざまな医療機関に導入しやすい設計になっている。
小型LSOクリスタルをベースとした、新たな空冷式デジタル検出器を搭載した。
高い空間分解能と239psの超高速TOF性能により、微小集積の描出能を向上しながら、高速撮像と撮影時間の短縮による被検者の被ばく低減に貢献する。
CT検査に比べて時間のかかるPET/CT検査では、通常、検査全体の被ばく線量を抑えるためにCTの画質を落とす必要がある。本装置のCT部分には、同社の診断用CT装置に搭載しているTin(錫、Sn)Filterを採用し、画像化に寄与しないX線の低エネルギー成分をカットすることで、大幅に被ばく線量を低減する。被ばく線量を通常のCT検査の約1/50*1に抑え、一般的な胸部レントゲン検査と同等レベルの低線量*2で最大128スライスの高速、高画質のCT検査が可能である。PET部分の高画質技術と併せて、低被ばくと高画質を両立したPET/CT検査を実現する。
AI技術を用いて開発された同社の全自動撮影システム「myExam Companion」を、PET/CT装置として初めて搭載した。検査前のquality control(PET装置の検出器の状態確認、以下QC)から撮像、検査後の画像再構成、画像処理・転送を自動化することで、効率的な業務フローを実現し、医療従事者の負荷軽減に貢献する。
・スマートスケジュール:あらかじめ設定した時間に自動的に毎日のQC がおこなわれるのでマニュアルによる作業を削減することができる。
・PETとCTを統合した直感的で新しいユーザーインターフェイス:検査に関する操作を簡素化したことで、検査者のスキルに依存せず、一貫した再現性のある検査をサポートする。
・Recon&GO:事前に設定したMIP(Maximum Intensity Projection:最大値投影処理)や融合画像作成など、複雑な画像処理、画像データの転送までをAIが自動で行うので、検査後に画像処理の操作を行う必要がない。
独自設計の空冷式の冷却方法を採用し、水冷式に必要なチラーの設置が不要であることに加え、機械室を必要とする従来のPET/CT装置とは異なり、各コンピューターをガントリー内に格納しているため、装置本体以外のスペースを確保する必要がなく、コンパクトな設置が可能である。また、エネルギー効率に優れた設計で、夜間にシステムの電源をオフにし、翌朝にはワークフローを中断することなく自動的に電源をオンにするスマートな省電力モードにより、使用電力を最大65%削減*3することができる。
本製品を2024年11月7日(木)~9日(土)にパシフィコ横浜で開催される
「第64回日本核医学会学術総会」「第44回日本核医学技術学会総会学術大会」の併設展示会で展示予定である。
本製品に関する情報は、製品紹介ページを参照。
https://www.siemens-healthineers.com/jp/molecular-imaging/pet-ct/biograph-trinion
*1 同社製品比
*2 Radiology, 2008 Jul; 278によると、一般的な胸部レントゲン撮影の被ばく線量は0.1mSv(実効線量換算)とされている
*3 同社製、水冷式PET/CT装置との比較
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