エルピクセル株式会社(以下、エルピクセル)は、オリンパス株式会社(以下、オリンパス)と腹腔鏡下胆嚢摘出術向けAIを用いたランドマーク術中教示システムの事業化に関する共同事業契約を締結した。
内視鏡外科手術は、術後の早期回復など患者さんのQOLの観点から症例数が伸びている。一方で、国内の外科医不足に加え、手術において高度な設備だけでなく医師や医療スタッフの高い技能が必要なことから、術者間や施設間の治療成績格差の解消が課題になっている。日本国内の腹腔鏡下胆嚢摘出手術件数は年間12万件に上る。そのなかで胆囊の近くにある胆管を誤って切るなどにより起きる胆道損傷は重篤な合併症であり、年間約600件の手術で発生している。この胆道損傷の原因の一つが外科医による臓器の誤認によるものである。
腹腔鏡下胆嚢摘出術向けAIランドマークの術中教示システム(1)は、熟練外科医が術中の判断基準として用いる解剖学的ランドマークをAIに深層学習させて教示するシステムである。エルピクセルとオリンパスは本術中教示システムを共同開発し、実用化を目指す。
エルピクセルとオリンパスは2018年に株式引受に関する契約(2)を締結し、密に連携してきた。この度、両社が新たに共同事業契約を締結し、エルピクセルが保有するAI画像解析技術とオリンパスが保有する内視鏡事業における知見を相互に活用することで、胆嚢摘出術における内視鏡手術支援AIの市場展開を目指す。
本共同事業は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構の課題番号JP19he2302003 の支援を受けた「外科手術のデジタルトランスフォーメーション:情報支援内視鏡外科手術システムの開発」において、大分大学 医学部・福岡工業大学 情報工学部と共に開発を進めている胆嚢摘出術向け情報支援内視鏡外科手術システムの成果を製品化するための取り組みとなる。上記課題において、エルピクセルはオリンパスからの委託を受け、技術開発の一部を実施している。
エルピクセルは本共同事業を皮切りに、AI画像解析技術を活用し外科手術領域での新たな価値提供を目指す。
(1)医薬品医療機器等法未承認品
(2)オリンパスによるエルピクセルの株式取得について
https://www.olympus.co.jp/news/2018/contents/nr00962/nr00962_00000.pdf
エルピクセル株式会社は、ライフサイエンス領域の画像解析に強みを持ち、医療・製薬・農業分野において画像解析技術、とりわけ人工知能技術を応用することで、高精度のソフトウエアを開発してきた。医師の診断を支援するAI画像診断支援技術「EIRL(エイル)」、創薬に特化した画像解析AI「IMACEL(イマセル)」を軸に事業を展開している。
オリンパスは「私たちの存在意義」として掲げる、世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現を目指している。世界をリードするメドテックカンパニーとして、私たちは医療従事者の方々と共に、病変の早期発見、診断、そして低侵襲治療に役立つ最適なソリューション・サービスの提供を通じて対象疾患における医療水準の向上に貢献していく。創業から100余年、オリンパスはこれからも世界中のお客様に最適な価値をもたらす製品を提供することで、社会への貢献を目指す。詳しくはオリンパスの公式サイト(www.olympus.co.jp)ならびに X(@Olympus_Corp_JP)にてご覧いただける。
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