シーメンスヘルスケア株式会社(以下 シーメンスヘルスケア)は、血管撮影装置ARTIS iconoシリーズの新たなラインアップとして、「ARTIS icono TA(アーティス アイコノ ティーエー)」および「ARTIS icono FloOR(アーティス アイコノ フロア)」を4月1日より販売する。
同社の血管撮影装置ARTIS iconoシリーズは、リアルタイムに提供される安定した高画質な透視・撮影画像が評価され、脳卒中治療や循環器系疾患治療における血管撮影(アンギオグラフィ)用装置として、急性期医療で重要な役割を担う大学病院や基幹病院で活用されている。
今回、アンギオグラフィ領域において、より幅広い疾患治療に貢献すべく、既発売の脳卒中や循環器疾患治療向けバイプレーンシステムに加え、新たにアンギオグラフィ下で行われる Interventional Radiology(画像下治療:IVR)や、アンギオグラフィと外科手術を組み合わせるハイブリッド手術室向けに、シングルプレーンシステム2機種を導入する。
高度で複雑なIVRにおいて、より安全・迅速・正確な手技に貢献するために開発された天井懸垂型のシングルプレーンシステム。
・血管透視撮影においては、患者の体厚や撮影装置のアームの角度などにより、必要以上のX線照射や線量不足による画質低下が避けられないことがある。
ARTIS iconoシリーズで採用している独自機構「OPTIQ」は、術者が求める画質レベルを設定するだけで、患者の体格や体厚により画質に差が出ることのないよう、X線発生量とイメージングシステムの画像処理エンジンのパラメータを自動的に制御する。
体厚が薄い場合などは不必要なX線を抑制し、体厚が厚い場合などはX線量を増やすなど、治療に求められる安定した高画質を常に適正線量で提供しながら、治療時間短縮に貢献する。
・撮影だけでなく透視においても※1 2K イメージングを実現しており、大画面表示レイアウトでも解像度の高い透視・撮影画像を提供する。
・可能な限り低線量で、ガイドワイヤや冠動脈ステントなど治療デバイスの視認性を高めるには、デジタル画像処理技術のみならず、被写体のX線吸収特性なども考慮する必要がある。
同社独自の画像調整機能「Structure Scout」では、それぞれの治療デバイスの構成成分固有のX線吸収特性を基に、デバイスの適正な描出に必要なパラメータを設定する。
設定したパラメータを選ぶだけで、安定した画像コントラストが得られるよう、X線スペクトルなどが自動的に調整される。これによりX線量を上げることなく、治療デバイスの視認性向上を可能にしている。
IVRのための正確な画像再構成のためには、3次元(3D)撮影データが重要になる。同社独自の「Omni Spin」機構は、高速で広範囲な稼働が可能なCアームが、患者の頭部と側面ともに左右200度の広範囲な角度にわたって撮影を行う。
アームが患者頭側に配置された場合では、1秒あたり95度の高速回転により、従来機種※2に比べて撮影時間を約50%削減するなど、高速な撮影により体動による画像のぼけ(モーションアーチファクト)を低減する。
シーメンスのインダストリー部門で培ったモーター制御技術を生かし、従来のシステム ※2の 4 倍の精度となる、0.5mm以内のシステムポジションの再現精度を実現した。
これにより、造影剤が存在する血管のみを描出するデジタル・サブトラクション・アンギオグラフィ(DSA)において、撮影画像と透視画像を重ね合わせるロードマップ実行時や、同社の3Dイメージングアプリケーション「syngo 3D Roadmap」使用時など、画像の重ね合わせ表示が必要な場合のずれを抑えることが可能である。
ハイブリット手術室における心臓疾患の低侵襲治療をサポートするため、ARTIS iconoシリーズの高画質画像に加え、高い操作性、設置性、汎用性を実現した据置型のシングルプレーンシステム
日本では、ハイブリット手術室におけるシングルプレーン血管撮影装置は天井懸垂型が一般的であるが、手術室の天井はさまざまな機器を設置する必要があり、複数の機器と天井懸垂レールが相互に干渉しやすいという課題がある。
本装置は、最小設置可能面積 28 平方メートル※3というコンパクトサイズを実現し、手術室内の導線を確保しながら、天井懸垂型装置の操作の煩雑さを軽減する。
長手方向に最大210cm、横手方向に最大190cm、と可動域の広いCアームにより、寝台を動かすことなく、頭部から足先までの血管撮影が可能である。
寝台を動かさないことで患者にとって負担の少ないカテーテル治療に貢献するだけでなく、それぞれの手技に合わせた最適なアームポジショニングで高い精度の求められるカテーテル治療をサポートする。
カテーテル治療においては、カテーテルが血管内を進んでいく細かな動きをX線透視で確認するために、寝台を手動で水平移動させながら治療を行うことが一般的であるが、重量のあるテーブルを微細に調整するための術者の負担が過大となっていた。
カテーテル治療専用に設計された本装置の寝台は、パワーアシスト付フローティング機構を搭載しており、さまざまな体格の患者に対応したスムースで微細な寝台移動を簡単に行うことができる。
ハイブリッド手術室環境に合わせ、外科的手術が必要になった場合には寝台を頭尾方向および左右方向に傾斜することも可能で、心臓血管疾患の低侵襲治療を柔軟にサポートする。
血管撮影装置が担う役割は診断だけでなく、さまざまな疾患の治療の領域へと拡大し続けている。同社は引き続き、医療の現場のさまざまなニーズに応えながら、先進的な医療に貢献できるイノベーションを提供し続けていく。
左から、
アーティス icono 認証番号:301AABZX00030000
アーティス icono 認証番号:301AABZX00030000
アーティス icono 認証番号:301AABZX00030000
アーティス icono 認証番号:301AABZX00030000
※1 15f/s まで
※2 当社の血管撮影装置 Artis Q との比較
※3 推奨設置面積 36㎡以上
▪問い合わせ
シーメンスヘルスケア株式会社
https://www.siemens-healthineers.com/jp
2025.09.02
2025.08.27
【Ubie株式会社】戸畑共立病院、「ユビー生成AI」活用で月間約400件の診断書作成時間の50%削減を実現~生成AIを活用したコメディカル主導のDXで、人員減でも業務継続が可能に~
2025.08.22
2025.08.19
Smart Opinion、AIで乳がん検診を革新!AI乳がん検診「Smaopi(スマオピ)」開始―医師の診断をAIで支援し、より確実な乳房超音波(エコー)検査を実現―
2025.08.19
富士フイルム、AI技術*1の活用で検査ワークフローの効率化に貢献 手軽に持ち運べる携帯型X線撮影装置の新モデル 新開発~在宅医療のほか、山間部・離島など幅広いシーンで簡便なX線検査をサポート~