島津製作所は、血管撮影システム「Trinias™(トリニアス)」の最上位機種を4月11日に国内で発売開始する。海外への発売は4月下旬を予定している。
本製品は、AIのディープラーニング技術とX線照射条件の最適化により従来の40%以上線量を削減*2し、低線量下における治療デバイスの視認性を向上させた。血管撮影システムの画像処理エンジンにAIを搭載したのは世界で初めてである。
また本製品は、各医療現場で効率的に使用いただくための新しいカスタマイズ機能を備え、シンプルで使いやすいワークスペースを実現する。常に最新ソフトウェアにアップデートするサブスクリプションサービスも開始し、長期間の使用を見据えたサステナブルな製品である。
*1 2022年3月現在発売済みの血管撮影システムの画像処理エンジンにおいて(同社調べ)
*2 装置標準(7.5pps、10ppsモード)での従来比
血管撮影システムは、患者に対して任意の方向からX線を照射することができ、血管のリアルタイムの透視画像(動画)が得られることから、心血管や脳血管をはじめ、全身の血管の状態や微細なデバイスなどが観察できる。
医師がカテーテル(細管)を患者の手首や鼠けい部の血管から挿入し、目的の部位(心臓や頭部、肝臓や肺など)まで進めて患部の状態を観察する血管造影検査や、治療デバイスを挿入して血管拡張などを行うカテーテル治療に用いられる。
各医療施設では、X線被ばく低減のための低線量運用が進められているが、低い線量下ではX線ノイズによりデバイスの視認性が低下する。
同社は、医療施設での低線量運用と、患者さんの負担減につながる治療デバイスの微細化を支援するために、AI技術を利用して低線量下でも安全にカテーテル治療が行える新画像処理技術「SCORE™ Opera(スコアオペラ)」を開発した。
新製品は、4月15~17日に開催される2022国際医用画像総合展(ITEM2022)で紹介する。
AIのディープラーニング技術により、ノイズ抑制やコントラスト強調を可能にして、一般的に低線量下では捉えにくくなるデバイスの視認性を向上させた。
血管造影検査やカテーテル治療でのX線照射時間の9割を占める透視による被ばく量を40%以上削減し、血管に挿入されるステントなど治療デバイスを鮮明に表示する。
タッチパネルでの操作は、約100の機能からカスタマイズできる。医師、診療科ごとなど、各医療施設の使用状況に合わせて24種類まで設定できるため、効率よく装置を活用できる。
また、施設や治療内容、治療に取り組むメンバー構成によって最適な作業空間は異なる。新しい統合モニターソリューションSMART Displayは、検査室や操作室で必要なタスクを効率的に処理するために必要なモニタのレイアウトを自在にデザインすることが可能である。
サブスクリプションサービスSCORE Link(年間契約)により、定期的にソフトウェアのアップデートを行う。装置導入後、いつでも最新ソフトウェアで検査や治療が行える。
キャビネットの小型化やケーブルの削減など、環境に配慮した装置設計を行っており、サブスクリプションでのアップデートと合わせ、サステナブルな装置提供を行う。
※SCORE Operaに採用しているAI(人工知能)技術は、自ら学習を繰り返すタイプのAIではない。
※Trinias、SCOREは(株)島津製作所の商標。
販売:血管撮影システム Trinias
価格:3億4千万円(税別)
製造販売認証番号:224ABBZX00053000
一般的名称:据置型デジタル式循環器用X線透視診断装置 [血管撮影システム Trinias]
・詳しい製品説明はこちら
▪問い合わせ
株式会社島津製作所
https://www.shimadzu.co.jp/
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