2021.10.25
株式会社カルディオインテリジェンスは、医療現場の解析技術にデジタルトランスフォーメーション(DX)をもたらすことを目指すヘルステックベンチャーである。
今回、「発作性心房細動の兆候を検出する人工知能を搭載するソフトウェア医療機器」の治験を開始した。
本治験は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下AMED)の医療機器開発推進研究事業採択に基づき実施されているもので、人工知能を用いたこれまでにない先進的なソフトウェア医療機器の承認に向け、多施設共同で性能評価を実施するものである。
本治験は今年度中の完了を目指し、2021年10月20日に1例目の患者のエントリーを実施した。
同社は、2019年10月の創業後「医療現場で“使える”ディープラーニングAIとICTですべての人に届けられる心電図のDX実現」を目指し、心電図のAI自動解析支援システムの製品化を進めている。
2020年8月にはAMEDが公募した「医療機器開発推進研究事業」に採択され、「隠れ心房細動診断支援AI(非発作時波形でも心房細動を検出できるAI技術)」の開発研究を続けてきた。
心電図検査で解析される不整脈の中でも心房細動は、特に患者数が多く、後遺症が残る脳梗塞の主要な原因になるが、発作が起きているときに検査をしないと、診断が難しい不整脈である。
そのため従来の技術では、発見されずに無治療でいる患者が日本だけでも数十万人いると言われている。
このような“隠れ心房細動”とも言える患者に対して、AIにより非発作時でも心房細動の発見を実現することができれば、多くの方を救うことが可能になることから、同社では「“隠れ心房細動”診断支援AI」の研究を進めてきた。
本治験は、その研究の成果を社会に届けるために実施するものである。
一見正常のように見える心電図であっても、過去に不整脈が起きた痕跡がごくわずかではあるものの残っているものがある。
このような肉眼では確認しにくい微細な痕跡を、ディープラーニング技術により発見し、一定時間記録した心電図検査から不整脈を起こしている可能性がある患者を検出することができる。
この技術を医療機器として活用することで、測定中に不整脈が捕捉されなくても、心房細動の兆候を検出し、病気の早期発見・治療に役立てることができるようになる。
本治験は、人工知能による心電図自動解析システムを用いて、不整脈の発作を起こしていない時の心電図から発作性心房細動の兆候を検出するソフトウェアの性能を、検証することを目的としている。
心房細動による脳梗塞発症などの社会資源負担の増加は、先進諸国において喫緊の課題である。特に高齢化とともに、未発見の心房細動による突然の脳梗塞を引き起こす患者が増加している。
その予防には、脳梗塞の予防に関わる心房細動の早期診断が重要であるにも関わらず、現行の技術では十分ではなかった。
そこで、連続的に心電図を取得できる単誘導心電図波形から、AI・ディープラーニング技術を活用した解析技術を利用し、発作を起こしていない時の正常心電図波形から心房細動の微細な兆候を検出し、心房細動を早期発見・早期治療することを実現することで、脳梗塞の新規発症予防が可能になる。
これによって、社会資源の負担を減らせることは明らかで、近い将来には脳ドッグなどにも活用可能な有効性が高く、社会的インパクトの大きい診断ツールになることが期待される。
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