株式会社Cardio Flow Designが提供している「iTSimulation」(心臓手術シミュレーション)が文部科学省委託事業「HPCIの運営」一般財団法人高度情報科学技術研究機構が募っていた産業試行課題に採択された。
「iTSimulation」は現在、国内外の研究者向けに心腔内や冠動脈、大動脈の血流から、最適な手術を提案するサービスを行っている。
医療機器として開発を進めるにあたり、世界一の性能を誇るスパコン「富岳」を用いて、髙難易度な心臓手術のシミュレーションを迅速に計算し、いち早く心臓外科医に手術計画を提供できるようになる。
※血液パラメーター解析イメージ
【iTSimulation】 https://cfd.life/itsimulation/
「iTSimulation」は、CT画像を元に血流のシミュレーションと血流の可視化を行うサービスである。クラウドにアップロードされたCTデータ(DICOMデータ)を最先端の数値流体力学 (CFD)を用いて計算する。
CTデータを元にコンピュータ上で心臓手術を仮想的に行い、手術後にどのような血流が流れるかシミュレーションすることが可能で、2016年より医学研究者向けの解析サービスを提供している。
コンピュータグラフィックス、数値流体解析、3Dモデリングなどの技術を医療に応用し計算するため、計算量が膨大で従来は解析期間が1~2ヵ月程度必要であったが、「富岳」を利用することで数時間程度まで解析時間を短縮できると考えられている。
本技術は特に非解剖学的な血行再建が行われる先天性心疾患の分野では特に有用と考えており、2021年より国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の支援を受け、医療機器化を目指して開発を行っている。
手術後の血流を予測できるiTSimulationを使うことで、最適な手術を提供し、術後の患者QOLを高められると考えられている。
株式会社Cardio Flow Designは「血流解析で医療を変える」をミッションとし、血流による診断が行える世界を目指し現役の医師2名で創設したベンチャー企業である。
IT技術やCT・MRIの発展により、体内の血流の状態を詳しく知ることが可能になった。同社は血流を解析し、将来の疾患を予想したり、手術計画に応用したりする技術で循環器内科や心臓血管外科の診断・治療に大きなイノベーションを起こすことを目的としている。
2018年7月「非造影拍動追跡型4D flow MRI解析システムの開発」、2021年4月「非解剖学的血行再建を要する先天性心疾患の手術設計支援を目的とした血流解析シミュレーション」が、続けて国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の研究課題に採択されている。
創設者の一人、板谷慶一医師は東京大学医学部卒業後、心臓血管外科医として診療に携わる傍ら、血流解析のパイオニアとして、4D flow MRIによる血流可視化、CFD (Computational Fluid Dynamics)による血流シミュレーション、超音波 VFM(Vector Flow Mapping)の開発などを手掛け、心負荷としての血流エネルギー損失の計算法および概念の提唱や、生理学的な拍動流を模倣したCFDモデルによる心臓手術設計などを行っている。
関連先リンク: https://cfd.life/about/
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