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2025.05.27

キヤノンメディカルシステムズ、「息止め無しの多断面リアルタイム心臓撮像を可能とするMRI装置の発明」が令和7年度全国発明表彰において「発明賞」を受賞

  1. シネMRI
  2. 心臓MRI検査
  3. 高速撮像技術

キヤノンメディカルシステムズ株式会社(本社:栃木県大田原市、代表取締役社長:瀧口 登志夫)の特許「息止め無しの多断面リアルタイム心臓撮像を可能とするMRI装置の発明」(特許第6073627号)が、令和7年度全国発明表彰(主催:公益社団法人発明協会)において、「発明賞」を受賞した。

全国発明表彰は、日本の科学技術の向上と産業の発展に寄与することを目的に、公益社団法人発明協会が多大な功績をあげた発明を表彰するものである。本発明を適用したMRI装置を使用することで、1フレームあたりの撮像時間を短縮しつつ、高フレームレートの動画撮像が可能となった。これにより、患者さんに対して過度な息止めを要求することなく、自由呼吸下でも鮮明な心臓の動画撮像ができるようになるなど、MRI装置の臨床応用範囲を拡大し、医療の発展に大きく貢献している。

【背景】

MRI装置による心臓の検査では、心臓の拍動を画像化するシネ撮像と呼ばれる動画撮像が用いられる。シネ撮像には、複数回の撮像をつなぎ合わせる分割撮像と、1回の撮像で画像化するリアルタイムシネ撮像がある。従来の高速撮像方法では高フレームレート化のために、データの収集過程で一部を間引いたうえで、分割撮像をしていた。これには、間引いた撮像データから再構成した画像に生じる偽像(アーチファクト)を除去するために、補正データの追加取得(キャリブレーションスキャン)が必要だった。

【発明の概要】

本発明では、偽像が含まれる撮像データから、静止領域および動き領域の有無を特定し、それらを利用して偽像の除去に必要な補正データを生成することで、キャリブレーションスキャンを不要とし、従来の高速撮像と比べ高速なシネ撮像を実現した。これにより、息止めが困難な患者さんや不整脈の患者さんに対する動画撮像が可能になり、また、息止めが可能な患者さんに対する検査時間の削減にもつながる。本発明は、キャリブレーションスキャンを用いた従来の撮像では容易でない、最大8倍速の高速化を実現できるMRI装置として、2018年以降に発売された製品で活用されている。

本発明による撮像の流れ

【受賞者】

キヤノンメディカルシステムズ株式会社 研究開発センター 先行技術研究部 研究主席 竹島 秀則

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