2021.11.02
池上通信機株式会社と一般財団法人NHKエンジニアリングシステム(以下、NES)で共同開発した医療用8K解像度カメラMKC-820NPが、8Kスーパーハイビジョン技術を医療応用する国家プロジェクト「8K 腹腔鏡手術システム映像を伝送し遠隔で手術支援を行う世界初※1の実証実験」で使用された。
今回の実験は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構の「8K等高精細映像データ利活用研究事業」の一環として、10月27日と28日に実施された。
この実証実験の中で使用された医療用8K解像度カメラMKC-820NPは、同社の医療市場での映像技術とノウハウに加え、放送で培った8K技術開発を基盤とした映像技術、さらに、NESのこれまでの8K腹腔鏡カメラ開発および臨床試験の経験と知見の粋を結集させたカメラである。
従来機と比較して、質量で1/3以下、容積で1/7以下での開発を実現し、カメラスタンドに半固定の状態ではもちろんのこと、手持ち運用も可能なサイズとなっている。
実証実験の結果、8Kならではの超高精細映像による「本物にせまる立体感」を保持した手術現場の映像を、伝送画質と符号化・復号化の遅延を最適化した状態で伝えることで、遠隔地においても、手術状況が詳細に把握可能であり、質の高い腹腔鏡下直腸切除術が実施された。
本プロジェクトでは、今後、さらに実証実験を重ね、医療経済的な観点からの分析を行い、遠隔手術支援の普及を目指し、医療機器としての承認に向けた計画が策定される予定である※2。
今後、実証実験で得た成果も踏まえて、現場のさらなる操作性向上に向けた医療用8Kカメラシステムの機能開発を進めていく。
同社は、8K映像の技術開発を通じ、これからも社会に役立つ製品とシステムの開発に取り組んでいくとしている。
※1 同社およびNES調べ。
※2 今回の実証実験の詳細は、国立研究開発法人 国立がん研究センターのホームページを参照。
https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2021/1102/index.html
関連先リンク: https://www.ikegami.co.jp/
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