・ヘリウムフリー構造により、優れた設置性で電力消費量を最大40%削減*2
・検査前のポジショニングやスキャン操作を自動化し、ワークフローを効率化
・AIを用いた画像再構成技術により、2倍の空間分解能で撮像時間を50%削減*3
シーメンスヘルスケア株式会社(東京都品川区、代表取締役社長: 櫻井 悟郎、以下 シーメンスヘルスケア)は、持続可能な社会、持続可能な医療への貢献を、事業活動のみならず企業そのものの理念として掲げている。この度、1.5T MRI装置として初めてヘリウムフリー*1構造を採用し、クエンチパイプ不要な小型・軽量設計で、電力消費量を最大40%削減するなど、優れた経済性と効率的なワークフローでサステナブルな病院経営に貢献するMRI装置「MAGNETOM Flow」(マグネトム・フロー)を、11月5日より発売する。
日本国内におけるMRI装置の設置台数および検査件数は年々増加傾向にある*4 が、MRI装置は撮像時間が長いことや、磁石の超電導状態を維持する冷却装置の稼働のため、他の画像診断装置に比べて膨大な量の電力を必要とする。高騰し続けるエネルギー費用に加え、磁石の冷却に必要なヘリウムの価格も高騰しており、病院経営における経済的負荷が課題となっている。また、検査数の増加に反して医療従事者の不足も深刻化しており、検査の自動化や効率化が求められている。
この度発売する「MAGNETOM Flow」は、独自の超電導磁石および冷却技術により、装置の稼働に伴う液体ヘリウムの再補充が不要なヘリウムフリーを実現し、電力消費量を最大40%削減するだけでなく、AIによる画像再構成技術により検査時間を50%削減するなど、病院経営の経済性改善に貢献する。また、センサーやAIを用いたポジショニングおよびスキャンの自動化により、ワークフローの効率化も実現している。
本装置はSiemens Healthineers が2016年から独自に開発してきたDryCooling Magnet を1.5TのMRI装置として初めて搭載した。これまで超電導磁石の冷却に必要とされていた最大1,500リットルの液体ヘリウム使用量を0.7リットルまで削減し、冷却装置を密閉することで、装置の稼働に伴う液体ヘリウムの再補充が不要なヘリウムフリー仕様となっている。密閉された液体ヘリウム冷却装置を生かし、非稼働時には余分な冷却を自動で停止するEco Power Modeや、一定時間稼働がない場合に自動で省電力モードに移行するEco Gradient Mode等の省エネ機能の組み合わせにより、電力の消費量を従来機*3比で最大40%低減する。また、クエンチパイプ設置のための工事が不要なことに加え、高さが約2メートル、最小設置面積が24平方メートル、重量が約3.7トンの小型・軽量な設計により、設置の自由度が高く、床の耐荷重補強に対する施工コストも削減できる。
被検者に装着するブランケット型コイルBioMatrix Contour coilsに、新たに開発したポジションセンサーBioMatrix Position Sensorを、搭載した。内蔵されたセンサーからコイルの位置情報を自動認識するため、レーザーライトを表示して撮像位置を合わせる操作が不要になる。さらに、Body モデルを学習したAIにより撮像位置を自動認識する機能を組み合わせることで、全身撮像のポジショニングを1回のタッチ操作で完了できるため、検査前の準備時間を短縮することができる。また、AI による自動撮像支援機能myExam AutoPilot により、頭部、脊椎、膝のルーチンMRI 検査は1回のクリック操作で完了することができるようになり、操作者のスキルレベルに依存せず、効率的で一貫した検査結果を提供する。
AIを用いたMRI画像の再構成技術Deep Resolveを搭載し、撮像時間を50%短縮しながら、空間分解能を倍増させた高精細な画像を提供する。優れた撮影画像により診断の質の向上に貢献するだけでなく、撮像時間を大幅に短縮することで、患者さんの心理的負荷の軽減に加え、検査の効率化、電力消費の低減など、病院経営の効率化にも貢献する。
同社は今後もMRIのリーディングカンパニーとして、経営効率改善や医療従事者不足などのお客様の課題解決に加え、環境負荷の低減など、さまざまなイノベーションにより、ヘルスケアのサステナビリティへの貢献に邁進していく。
本製品に関する情報は、製品紹介ページを参照。
https://www.siemens-healthineers.com/jp/magnetic-resonance-imaging/0-35-to-1-5t-mri-scanner/magnetom-flow
*1 液体ヘリウム0.7 リットルを完全に密閉した冷却装置のため、装置の稼働に伴う液体ヘリウムの再補充が不要な構造
*2 同社製1.5TMRI 装置比較
*3 Deep Resolve を搭載しない同社機比較
*4 令和元年6月26 中央社会保険医療協議会総会(第417回)「医療機器の効率的かつ有効・安全な利用について」

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