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2025.12.09

QUANTI Pediatric 試験の最新データが北米放射線学会(RSNA 2025)にて発表:バイエルが開発中のMRI 造影剤(ガドクアトラン水和物)について、小児を対象とした臨床試験で主要評価項目ならびに副次的評価項目を達成

  1. MRI
  2. ガドリニウム造影剤

本資料は12月3日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳編集したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものである。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先する。原文はwww.bayer.com/media/en-us/を参照。

・低用量ガドリニウム造影剤の重要な臨床開発プログラム「QUANTI」において、小児を対象とした初めての結果を発表
・QUANTI Pediatric試験では、小児(新生児から18歳未満)を対象に、ガドクアトランの薬物動態と安全性についてガドリニウム用量0.04mmol Gd/kgで評価。これは0.1mmol Gd/kgで投与される既存の環状型ガドリニウム造影剤に比べ、ガドリニウム用量で60%低減に相当
・ガドクアトランの製造販売承認の取得を目指し、本データも世界各国の保健当局に申請中

ベルリン、2025年12月3日―画像診断領域の世界的リーダーであるドイツ・バイエル社は本日、磁気共鳴コンピューター断層撮影(MRI)用に開発中の環状型ガドリニウム造影剤(GBCA)「ガドクアトラン水和物」(以下、ガドクアトラン)について、安全性と有効性に関する追加データとしてQUANTI Pediatric 試験の結果を発表した。QUANTI Pediatric 試験では、造影MRI検査の臨床的適応を有する小児において、ガドリニウム用量0.04mmol Gd/kgでガドクアトランを投与し、造影MRI検査を実施した。これは0.1mmol Gd/kgで投与される既存の環状型ガドリニウム造影剤に比べ、ガドリニウム用量で60%の低減に相当する。本試験においてガドクアトランの薬物動態および安全性プロファイルを評価する主要評価項目および副次的評価項目を達成した。小児集団においても成人集団と類似の薬物動態が観察され、成人におけるガドクアトランの診断能が小児にも適用できることが示唆されている。QUANTIPediatric 試験の詳細は、2025年11月30日から12月4日まで米国シカゴで開催された北米放射線学会(RSNA)の年次大会で、最新の臨床試験データとして発表された。

QUANTI Pediatric 試験は、バイエルの重要な臨床開発プログラム「QUANTI」の一環であり、「QUANTI」には成人を対象とした2 つの国際共同第III相試験も含まれている。小児を対象とした試験を含む肯定的なQUANTIデータに基づき、バイエルは日本、米国、EU、中国を含む世界中の国及び地域でガドクアトランの製造販売承認申請を提出しており、今後数カ月以内にさらに多くの国及び地域で承認申請を行う予定である。承認されれば、ガドクアトランは各市場で入手可能な最も低用量の環状型ガドリニウム造影剤となる。

米国ミズーリ大学放射線科教授兼学科長のタリッサ・アルテス氏は次のように述べている。「造影MRI検査は、新生児から成人まで、特定の疾患の診断とモニタリングを支援するためにますます利用されています。MRI検査は非侵襲性であることから、小児医療において有用です。例えば、潜在的な腫瘍の診断と経過観察に加え、小児の多発性硬化症などのさまざまな神経疾患の診断と経過観察に役立ちます。MRI造影剤には通常ガドリニウムが含まれているため、小児患者のように生涯にわたって複数回のMRI検査が必要となる患者群にとって、生涯の曝露量を低減する低用量造影剤の選択肢を持つことは特に重要です」

世界中で小児の造影MRI検査は毎年推定150万件実施されており、件数は毎年5%増加している。

ドイツ・バイエル社ラジオロジー研究開発責任者であるコンスタンツ・ディーフェンバッハは次のように述べている。「造影MRI検査は、小児においても疾患の検出と継続的な病状管理に不可欠なツールであり、バイエルはこの重要な分野におけるイノベーションの推進に尽力しています。QUANTI Pediatric試験の結果は、ガドクアトランが小児を対象とした低用量MRI造影剤として有用である可能性を示唆しています。低用量という設定は、必要な臨床情報を得るために有効な最低用量を投与することを推奨する保健当局や関連団体の見解とも合致しています。私たちは、世界中の規制当局と連携し、ガドクアトランを患者さんと医療従事者の皆さんに可能な限り迅速に提供できるよう努めていきます」

【QUANTI Pediatric試験および第III相QUANTI試験について】

QUANTI Pediatric試験は、新生児から18歳未満の小児におけるガドクアトランの薬物動態、安全性、および忍容性を評価するための多施設共同、前向きオープンラベル試験である。小児におけるガドクアトランの薬物動態は、成人と類似していた。安全性プロファイルは、ガドクアトランおよび他の環状型ガドリニウム造影剤におけるこれまでのデータと概ね一貫していた。さらに、本試験では小児集団における診断能も評価された。結果は、ガドクアトランが非造影MRI検査と比較して、描出能力やその他の重要なパラメータを改善したことを示している。
第III相ピボタル試験(QUANTI試験)は、2つの大規模多施設共同、無作為化、前向き二重盲検、クロスオーバー第III相試験(QUANTI CNS試験およびQUANTI OBR試験)とQUANTI Pediatric試験から構成されている。合計で15の国または地域において、93名の小児を含む808名の患者が参加した。QUANTI試験では、ガドクアトラン投与による病変描出パラメータと病変検出の評価おいて、主要評価項目および副次的評価項目を達成した。これは、0.1 mmol Gd/kgで投与される既存の環状型ガドリニウム造影剤と比較して、ガドリニウム用量の60%の低減に相当する。これらすべての試験において観察された安全性プロファイルは、ガドクアトランおよび他の環状型ガドリニウム造影剤におけるこれまでのデータと概ね一貫していた。新たな安全性に関する懸念は認められなかった。

今後の関連学会でもさらなる試験データが発表される予定である。

【ガドクアトランについて】

ガドクアトランは、バイエルが開発中のMRI用の環状型細胞外液性ガドリニウム造影剤である。このガドリニウム造影剤は、高い緩和能および安定性を有する四量体構造が特徴とされている。

【MRI検査について】

造影MRI検査は、放射線を使用することなく非侵襲的に身体の詳細な画像が得られる検査で、臓器や組織内の異常の鑑別や同定に役立ち、病変の検出や経過観察において医師による医学的判断を支援する。米国では年間約1,200万~1,800万件の造影MRI検査が行われている。1988年に市場に導入されて以来、世界において環状型ガドリニウム造影剤は8億回以上投与されており、2023年には年間推定6,300万回に達すると見込まれている。1

【バイエルの画像診断領域について】

バイエルは100年にわたり培った専門知識を基に患者ケアの向上を目指して、画像診断領域における革新的な製品と高品質なサービスの提供することに注力している。バイエルの主要な画像診断ポートフォリオには、コンピューター断層撮影(CT)、X線撮影、磁気共鳴コンピューター断層撮影(MRI)の造影剤とデバイスが含まれている。またバイエルの包括的な製品群には、インフォマティクス・ソリューションや、デジタルおよび人工知能(AI)を活用したアプリケーションを備えた医用画像診断プラットフォームも含まれている。バイエルの画像診断製品の売上高は、2024年時点で約21億ユーロでした。バイエルは研究とイノベーションに注力しており、AIの統合を含む医用画像の進展を推進している。

バイエルについて
バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業である。私たちのミッション「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」のもと、バイエルの製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献している。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力している。同時に、収益力を高め、イノベーションと成長を通して企業価値を創造することも目指している。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっている。2024年のグループ全体の売上高は466億ユーロ、従業員数は約93,000名、研究開発費は62億ユーロである。詳細はwww.bayer.comを参照。

バイエル薬品株式会社について
医療用医薬品、コンシューマーヘルスの各事業を通じて、日本の患者さんのための治療に変革をもたらす持続可能な取り組みを推進している。医療用医薬品部門では、アンメットメディカルニーズの高い循環器・腎・代謝領域、オンコロジー領域、眼科領域などのスペシャリティ領域、画像診断領域にフォーカスし、革新的医薬品の提供を通じて高齢化が進む日本の患者さんの健康寿命の延伸とQOLの向上に努めている。コンシューマーヘルス部門では、赤ちゃんの「人生最初の1000日」に適切な栄養を届けるため、女性の妊娠準備と妊娠期間を支援するサプリメントなどに注力している。詳細はwww.pharma.bayer.jp, Facebook,YouTubeを参照。

バイエル薬品株式会社
2025年12月9日、大阪

Reference:
1 https://link.springer.com/article/10.1007/s00330-024-11214-4

この件に関する問い合わせ先:
医療用医薬品部門 広報 代表(06-6133-7333) 中村(06-6133-7405)
※本資料は、国内の報道関係者の方々を対象に、バイエルの企業活動に関する情報を提供している。一般の方に対する情報提供を目的としたものではないのでご了承ください。

将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている場合がある。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがある。これらの要因には、同社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれる。同社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負わない。

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