2021.08.30
島津製作所は、放射線治療支援システム「SyncTraX SMART version(シンクトラックス・スマートバージョン)」を8月30日から国内で販売開始する。
本システムを放射線治療装置に組み合わせて使用することで、患者の治療部位の位置合わせが治療中でも短時間で高精度に行え、治療時間の削減につながる。
放射線治療では、がん細胞を死滅させるための高エネルギーX線照射が行われるため、がん細胞に正確にX線を照射し、正常組織への影響を最小限にすることが重要である。
本システムは、放射線治療の直前に寝台(カウチ)上の患者をX線撮影し、事前に撮像された治療計画用CT画像と骨などの画像情報を照合し治療部位の位置ズレを算出する。
その数値情報を治療装置に伝え、カウチの位置を補正(誘導)することで、治療装置から発せられる高エネルギーX線を正確にがん細胞に照射できるよう支援する。
放射線治療装置は、国内で現在約1,000台稼働中(厚生労働省2019年統計)で、がん患者の約40%がこの治療を受けている。
中でも本システムのような支援システムを利用した画像誘導放射線治療(IGRT:Image Guided Radio Therapy)は、高精度なX線照射を効率的に行えるため、高いエネルギーのX線照射が可能になり治療時間や治療回数が減少する。患者の負担軽減とともに、医療機関の治療スループットも向上する。
本システムは、当社動体追跡機能※の追加も可能であり、新たなラインアップで放射線治療の高精度化、効率化に貢献する。
※呼吸で臓器が動いてもピンポイントで治療部位へのX線照射を支援する機能
4組のX線管とフラットパネルディテクタ(FPD:平面検出器)により、放射線治療装置のガントリ角度に関係なく必ず2方向からのX線撮影が可能で、高精度に位置合わせができる。治療開始前だけでなく、治療中の補正も短時間で対応できる。
2方向のX線撮影の後、治療計画用CT画像と照合して、カウチ位置の補正量を短時間で自動計算し表示する。画像確認後に補正量を治療装置に送信することで位置補正が行える。
放射線治療では、体軸に対して任意の角度から照射を行う治療方法(ノンコプラナ―照射)も行われ、必要に応じてカウチの向きが変わる。
治療の途中で患者の位置合わせが必要になった場合も、短時間でX線撮影し補正可能である。治療装置のガントリやカウチを元の位置に戻す必要はない。
X線検出器に大型の12インチFPDを採用し、位置決めの指標となる骨などの情報を広範囲に取得でき、精度が向上する。
呼吸等で動きを伴う臓器の放射線治療のために、腫瘍へのピンポイント照射を支援する動体追跡機能をオプション追加できる。
販売名:放射線治療支援システム SyncTraX
定価:3億2千万円(税抜き)
構成:X線管とFPD各4組、X線高電圧装置、操作用コンソールなど周辺機器
*本システムはバリアン社製治療装置「TrueBeam」にのみ組み合わせが可能
製造販売承認番号:30300BZX00103000
一般的名称:放射線治療シミュレータ
放射線治療装置用シンクロナイザ
詳しい製品説明についてはこちら
関連先リンク:https://www.shimadzu.co.jp/
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