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2021.01.27

サイバネットシステム、AIを搭載した内視鏡画像診断支援ソフトウェア『EndoBRAIN®』シリーズに、2製品が新登場

  1. AI(人工知能)
  2. EndoBRAIN
  3. 大腸内視鏡
  4. 画像解析システム(ソフト)
カテゴリ
新製品・新機能
情報提供元
サイバネットシステム株式会社

 

サイバネットシステム株式会社(以下 サイバネット)は、大腸内視鏡で撮影された内視鏡画像を人工知能(AI)※1を用いて解析する『EndoBRAIN®』シリーズより、大腸癌の診断を支援する『EndoBRAIN®-Plus(エンドブレインプラス)』(薬事情報 承認番号:30200BZX00235000)、ならびに潰瘍性大腸炎の炎症状態の診断を支援するソフトウェア『EndoBRAIN®-UC(エンドブレインユーシー)』(薬事情報 承認番号:30200BZX00136000)の販売を、販売元となるオリンパス株式会社(以下 オリンパス)より2021年2月5日から開始する。

AIを搭載した内視鏡画像診断支援ソフトウェア『EndoBRAIN®』シリーズとは

事前に膨大な症例画像を学習したAIが、オリンパス製超拡大内視鏡「Endocyto(エンドサイト)」※2で大腸内視鏡検査中に撮影された高精細内視鏡画像情報を基に、医師による病変の診断予測をリアルタイムで補助するソフトウェア群である。

昭和大学横浜市北部病院消化器センター工藤進英特任教授および名古屋大学大学院情報学研究科の森 健策先生の研究室と連携し、医師による内視鏡検査を補助するAIとして、2013年より研究・開発が進められてきた。

国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)医療機器開発推進研究事業「大腸がん抑制を可能とする、人工知能にもとづく内視鏡診断支援ソフトウェア」の支援を受け、2018年12月に医薬品医療機器等法にもとづく承認をAI搭載医療機器として初めて取得している。

大腸癌診断を支援する『EndoBRAIN®-Plus』

大腸内視鏡で得られた大腸粘膜の病変の画像をAIで解析し、その病変に対する非腫瘍、腺腫※3(粘膜内癌※4を含む)、浸潤癌※5、それぞれの病理診断予測を信頼度(%)で表示させることで、大腸内視鏡検査の診断を支援するソフトウェアである。

搭載AIは、68,082枚の画像を用いて学習モデルを構築しており、性能評価試験※6の結果によると、感度91.8%、特異度97.3%※7の精度で病変の検出が可能で、内視鏡医の支援に足る十分な精度を達成している。

AI が解析結果として出力した病変三分類の信頼度表示例

なお、本製品の研究開発は、平成29年度AMED「8K等高精細映像データ利活用研究事業:高精細映像データの収集・解析を通じて内視鏡診療支援を行う医用人工知能システムの研究」によって採択された「人工知能とデータ大循環によって実現する、大腸内視鏡診療の革新的転換」(研究開発代表者・工藤 進英特任教授)の支援を受けて実施された。

潰瘍性大腸炎の炎症状態の診断を支援するソフトウェア『EndoBRAIN®-UC』

大腸内視鏡で得られた腸管の画像をAIで解析し、潰瘍性大腸炎の炎症の有無の確率を信頼度(%)で表示させることで、炎症状態の診断を支援するソフトウェアである。

搭載AIは、44,096枚の画像を用いて学習モデルを構築しており、性能評価試験の結果では、感度95%、特異度91%、正診率92%と高い精度を達成している。

AI が解析結果として出力した炎症状態の信頼度表示例

『EndoBRAIN®』シリーズのラインナップ

すでに発売している「EndoBRAIN®-EYE」および「EndoBRAIN®」に新たに2製品が加わったことで、大腸内視鏡検査における病変の検出・鑑別から治療方法の選択までの一連の工程をAIで包括的に支援することが可能となった。

大腸癌は、近年日本人の癌死亡数2位※8と増加傾向にある。最新のAIと内視鏡技術で、内視鏡検査に携わる医療従事者の負担軽減に一層寄与できるよう、今後も製品開発・改良に力を入れていく予定である。

EndoBRAIN®シリーズの詳細:https://www.cybernet.co.jp/medical-imaging/products/endobrain/

※1 人工知能(AI):EndoBRAINが採用しているAIはサポートベクターマシンと呼ばれる機械学習の一種であり、市販後に自ら学習を繰り返して性能が向上するタイプのAIとは異なる。
※2 超拡大内視鏡「Endocyto」:リアルタイムに細胞レベルまで観察することを可能とする内視鏡。従来品では80倍程度の拡大観察しかできないが、超拡大内視鏡Endocytoは520倍の光学拡大機能で細胞核まで観察できる。内視鏡検査時にリアルタイムに細胞レベルでの観察ができるため、診断精度の向上が期待されている。
※3 腺腫:良性腫瘍のこと。前癌病変のひとつとされる。
※4 粘膜内癌:粘膜から発生し、粘膜内だけにとどまっている癌腫。癌の初期段階であり原則として転移能がないため、腺腫と同様、内視鏡による局所切除により根治的治療が可能と考えられている。
※5 浸潤癌:粘膜の表面にとどまっていた癌が大きくなるにつれて大腸の壁の奥深くへと食い込むように広がり、大腸の壁に深く食い込んでいくにつれて血管・リンパ管から全身に移行する可能性のある癌を示す。手術や特殊な内視鏡治療を考慮すべき、病態である。
※6 性能評価試験:本研究では後ろ向き試験を実施した(=疾病の要因と発症の関連を調べるための観察的研究の手法の一つで、過去と現在のデータを扱うのが特徴)。
※7 感度・特異度:感度とは画像中に病変があるときにAIが正しく病変があると判定できる確率であり、特異度とは画像中に病変がないときにAIが正しく病変がないと判定する確率である。つまり感度が高ければ高いほどAIによる見落としが減り、特異度が高ければ高いほど誤検出が減ることを意味する。
※8 大腸癌による男女合計の死亡者数2位:国立がん研究センターが発表する2020年7月20日付「最新がん統計“2018年の死亡数が多い部位”」がん情報サービス統計値(https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html)より。

関連先リンク:https://www.cybernet.co.jp/
E-mail:med-info@cybernet.co.jp

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