2025.07.30
クラウド型医療情報管理共有システム「LOOKREC(※1)」を提供する株式会社エムネス(所在地:広島県広島市、代表取締役社長:阿部 伸一)は、全国の30代以上60代未満の医療関係者(開業医・勤務医・技師・経営層・事務長・医療情報/システム部門)の男女を対象に調査「医療用情報システムにおける医療DXに関する意識調査」を実施した。
医療現場では、少子高齢化に伴った人的リソースの不足や地域医療格差をなくすための対策の必要性の高さから、柔軟なITインフラの整備や業務の効率化が急務となっている。こうした背景の中で注目されているのが、医療DXの推進である。2023年6月に内閣官房が医療DX推進本部を立ち上げ、クラウドベースの電子カルテの整備を行っていく方針が発表され、それに伴い、医用画像管理や情報連携の領域でもクラウド型の導入が徐々に加速しつつある。
今回の調査では、医療現場でどの程度クラウド化が進んでいるのか、また、クラウド化に対するメリットや課題、医療DXに対する意識調査を行い、今後の業界動向を探ることを目的に調査を実施した。
●現在オンプレミス型の医療用情報システム(電子カルテ・PACS)を利用している医療機関の約3割がクラウド化を予定、あるいは検討している ●クラウド型システムを導入するメリットは「災害・停電時にも安全にデータが保全される」が42.0%と最多、次いで「バージョンアップなどの保守管理が不要」が28.4% ●実際にクラウド型システムを導入している医療機関では、「バージョンアップなどの保守管理が不要」と同数にて「ランニングコストが抑えられる」といったコストメリットを感じている項目が上位にランクイン ●クラウド型システムの導入に対する不安・課題は「セキュリティ面が不安」が45.1%と最多、次いで「通信障害時のリスク」が36.9% ●医療DXの進展により、今後特に強化・注目すべき領域は「医療データの一元管理と連携」と「遠隔診療・画像診断」が42.0%と同率最多 |
調査機関 :2025年7月11日~2025年7月18日
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病院勤務が約7割・クリニック勤務が2割強、技師が約3割、勤務医が約2割、開業医は1割強
●クリニックのクラウドPACS導入率は、オンプレミス型とほぼ同率(オンプレミス型34.2%・クラウド型31.6%)!クリニックの方が病院よりも、電子カルテ・PACSともにクラウド化が進んでいる状況が浮き彫りに
クリニックと病院(病床数~200以下と201以上の合算)で使用している電子カルテ、PACSのタイプを質問したところ、クリニック(図2)と病院(図3)それぞれ以下の結果となった。
クリニックの方が病院よりもクラウド化が進んでおり、特にPACSにおいては、オンプレミス型の導入が34.2%とクラウド型の導入が31.6%と、ほぼ同率にまで差し迫っている結果となった。
なお、電子カルテとPACSのタイプをクロス集計したところ、約7割以上の医療機関が同一タイプを導入している結果となった。
・電子カルテ、PACSともにオンプレミス型(院内サーバーで運用)を使用 ...88.2% ・電子カルテ、PACSともにクラウド型(インターネット経由で利用)を使用 ...74.7% ・電子カルテ、PACSともにハイブリッド型(両方を併用)を使用 ...70.0% |
電子カルテ、PACSのいずれか、あるいは両方でオンプレミス型を使用している医療機関を対象に、今後クラウド化する予定があるかを質問したところ、約3割が今度医療用情報システムのクラウド化を導入予定、あるいは検討している結果となった。
なお、勤務先の形態別に、本設問(クラウド化への意向の有無)をクロス集計し、導入検討している施設では、いつ頃の導入時期を検討しているのかを確認したところ、クリニックでは「1年以内に導入予定」が25.0%と最多だったのに対し、病院では「2~3年以内に導入を検討している」が最多の結果となった。(※「現在はクラウド化の予定なし」「わからない・答えられない」の回答は除外)この結果では、病院の方が決済フローが長く、導入までの時間がかかることが見て取れる。
クラウド型システムを導入するメリットについて質問したところ、以下(図5)の結果となった。
なお、現在使用している医療用情報システム(電子カルテ・PACS)の導入タイプ別にクロス集計したところ、以下の通りとなった。
■現在、オンプレミス型(院内サーバーで運用)を使用している医療機関が考えるクラウド型のメリット ■現在、クラウド型(インターネット経由で利用)を使用している医療機関が考えるクラウド型のメリット ■現在、ハイブリッド型(両方を併用)を使用している医療機関が考えるクラウド型のメリット |
現在利用している医療用情報システムの導入タイプ別による違いがあった部分は、実際にクラウド型を使用している医療機関ほど「ランニングコストが抑えられる」の回答率が高く、クラウドのコストメリットの高さを実感していることが伺える結果となった。
なお、電子カルテ・PACSといったシステムによる違いはほぼなく、同様の傾向が見られた。
クラウド型システムを導入に対する不安や課題について質問したところ、以下(図6)の結果となった。なお、不安・課題に関しては、現在利用している医療用情報システムの導入タイプ別(オンプレミス型・クラウド型)による違いは、大きく見受けられなかった。
医療DXの進展によって、今後特に強化・注目されるべきだと考える領域について質問したところ、以下(図7)の結果となった。
今後特に強化・注目すべき領域として「医療データの一元管理と連携」「遠隔診療・画像診断」が42.0%と最も多く、次いで「医療従事者の働き方改革」が35.3%、「院内業務の効率化(スケジュール、事務など)」と「AIによる診断支援」が33.1%と続いた。
昨今の医療の現場では、医師の働き方改革や少子高齢化による地域医療格差などが問題となっており、それらに対して医療DXにて補填できないかという意図が見て取れる結果となった。
■本調査結果を受けてのコメント 今回の調査結果は、私たちが日々医療機関の皆さまと接する中での実感とも一致しており、特に新規開業クリニックではクラウド導入が当たり前になりつつあります。クラウドによるDXの強みは「データ活用による生産性向上」です。生産年齢人口の減少が進む中、医療現場でも生産性向上は喫緊の課題であり、「コスト」より「有用性」を重視してクラウドを選ぶケースが増えています。 当社のLOOKRECも導入施設がこの4年で10倍に増加しました(関連プレスリリースURL)。 |
エムネスは「身体の状況をありのままに正確にリアルタイムに伝えて世界中の医師や医療従事者が連携して、患者のために理想の医療を提供できるようにすること」というミッションのもと、医療機関向けの遠隔画像診断支援サービスに加え、医用画像を中心とするデータの管理・共有のためのクラウド型医療情報管理共有システム LOOKREC (※1)を提供している。
LOOKRECは診療のデジタル化を加速し、場所にとらわれないあらたな医療のあり方や医師の働き方改革の実現、病病・病診連携や集学的な研究などの組織の壁を超えた医療連携に貢献しており、1,500施設(2025年7月現在)を超える施設で利用されている。
所在地 :広島県広島市南区東雲本町1-2-27 代表者 :代表取締役社長 阿部 伸一 事業内容 :医療支援クラウドサービス、遠隔画像診断サービス ウェブサイト:https://mnes-lookrec.com/ |
LOOKRECは、CTやMRI等の検査装置から撮影された医用画像をクラウド上にアップロードし、医療機関、医療従事者がリアルタイムに画像を管理・共有できるプラットフォームサービスである。
クラウドへの保存容量に制限がないため機器の増設は不要で、また、物理的なサーバを持たないためソフトウェアの追加購入、メンテナンスも不要である。インターネット接続端末があればどこでも安全に利用することができるため、経済的かつ簡単に導入することが可能である。
医療機器販売名 : ルックレック 医療機器認証番号: 227AGBZX00096000
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