麻生のグループ病院である株式会社麻生 飯塚病院(注1、以下 飯塚病院)とグループICT企業である株式会社麻生情報システム(注2、以下 麻生情報システム)と日本電気株式会社(注3、以下 NEC)は、飯塚病院の経営データをAIで分析し、その結果をもとに生成AIを活用して経営判断を示唆する「病院経営マネジメントサービス」の実証を本年4月から開始した。
これは株式会社麻生(注4、以下 麻生)とNECの、地域医療を支え持続可能な病院経営目指す「ホスピタルマネジメント構想」実現に向けた共創活動の一環となる。
近年、少子高齢化が進行しており、医療需要は拡大している。一方で、感染症への対応、物価・人件費の高騰等の影響で、地域医療を支える病院の経営環境はますます厳しくなっており(注5)、病院の再編や統廃合が進んでいる。更に、医師の働き方改革や本年6月に施行となる令和6年度診療報酬改定など、取り巻く環境の激しい変化に対応しつつ、持続可能な病院経営を実現するため、病院は効率的かつ効果的な医療提供体制の構築と経営効率の改善が求められている。
そこで2社は、地域医療を支え、持続可能な病院経営目指す「ホスピタルマネジメント構想」の実現に向けて共創を開始した。
今回の実証では、飯塚病院の様々な経営データを収集し、麻生の経営コンサルティング力に、NECが医療現場への適用を進めてきた生成AI(注6)などの新たなテクノロジーを組み合わせたサービスについて、病院における業務効率化と経営改善の有効性を検証する。それにより、病院が十分かつ迅速に活用出来ていない経営データを収集し、AIを用いてリアルタイムに経営判断し課題解決するサービスの社会実装、そして日本の医療DX推進への寄与を目指す。
病院経営分析をスピードアップし、データに基づきリアルタイムに改善のポイントや解決策を提示することで病院経営を支援する「病院経営マネジメントサービス」の実証を開始した。
・背景:
現在多くの病院では、経営改善に向けた施策を実施するためのデータ集計・加工・分析に時間を要するとともに、その分析が個人のスキル・経験に依存している。
・実証内容:
過去15年分の飯塚病院の入院日数や病床稼働率などの経営指標データや診療関連情報とNECが提供するAIデータ分析基盤「dotData」(注7)を活用し、病院経営指標の予測を実施する。その予測値と実績値の差異に関する要因を短時間で自動的に抽出してランク付けを行う。さらに、そのランキングが高い要因に関わる診療行為や患者様の特徴を分析し、詳細な情報や改善アクションを生成AIが提案する。これにより病院は、経営状況の可視化や傾向分析のスピードアップ・精度向上が可能となり、適切なタイミングで対策を打つことが可能となる。
・期間:2024年4月から7月
なお、NECは「ホスピタルマネジメント構想」実現に向けた共創の一環として、本年6月から麻生情報システムが開発した経営データのリアルタイムな可視化を実現する「診療状況照会システム」(注8)を、NECの「Cloud Gateway」(注9)を通じて提供する。さらに、本実証の成果を踏まえ、「病院経営マネジメントサービス」を2024年度下期中に提供開始することを目指す。
株式会社麻生は、長年にわたり飯塚病院で培ってきた病院経営ノウハウを活かし、医療の質・患者さまへのサービスの向上とともに、病院の経営効率化を目指したコンサルティングサービスを提供しています。また、病院運営の効率化と品質向上を図る取り組みを推進してきました。
今回の共創活動では、生成AIなどの新たなテクノロジーを駆使し、現状十分に活用し切れていない大量の経営データをスピーディーかつ漏れなく解析し、いち早く変化の徴候を捉えることで、タイムリーな経営の意思決定に反映させる可能性を追求して参ります。これにより、データに基づいた迅速な意思決定が可能となり、病院全体の運営効率を大幅に向上させることを期待しています。
今回の共創活動を含めて「ホスピタルマネジメント構想」を実現し、地域医療の担い手である病院の経営健全化を支援し、医療を取り巻く社会システムの変革に貢献して参ります。
株式会社麻生 取締役 医療事業本部 副本部長 池 賢二郎
NECは、医療従事者や病院経営者、そして患者さま一人ひとりがその理想とする医療を叶えられるようデジタル技術の力で支えていきます。そして、ヘルスケア・ライフイエンス領域において生活者や医療従事者など一人ひとりに寄り沿ったサービス・製品の提供を通じ、あなたらしく生きることのできる社会の実現を目指します。
NEC ヘルスケア・ライフサイエンス事業部門 医療ソリューション統括部長
浅見 英徳
以上
(注1)所在地:福岡県飯塚市、院長:増本 陽秀
(注2)所在地:福岡県福岡市、代表取締役:瀧中 秀敏
(注3)本社:東京都港区、取締役 代表執行役社長 兼 CEO:森田隆之
(注4)所在地:福岡県飯塚市、代表取締役社長:麻生 巌
(注5)厚生労働省 第24回医療経済実態調査(医療機関等調査)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/database/zenpan/jittaityousa/dl/24_houkoku_iryoukikan.pdf
(注6)プレスリリース
「NEC、東北大学病院、橋本市民病院、「医師の働き方改革」に向けて、医療現場におけるLLM活用の有効性を実証」
https://jpn.nec.com/press/202312/20231213_01.html
プレスリリース
「NEC、生成AIを搭載した電子カルテシステムの販売を開始」
https://jpn.nec.com/press/202403/20240318_01.html
※NEC製以外の電子カルテを導入している医療機関でも利用可能とする予定である。
(注7)「dotData」について
https://jpn.nec.com/solution/dotdata/
(注8)「診療状況照会システム」について
https://www.aso-group.co.jp/ais/solution/medical_detail.php?business_uuid=20944926115c9c21
(注9)クラウドセキュア接続サービス「Cloud Gateway」について
https://jpn.nec.com/medical_healthcare/cloudgateway/index.html
株式会社 麻生 飯塚病院 経営管理部 DX推進室
E-Mail:dx@aih-net.com
NEC 医療ソリューション統括部
E-Mail:press@med.jp.nec.com
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