株式会社日立製作所(以下、日立)は、日立の小型陽子線治療システム(以下、本システム)を導入した、徳洲会グループの湘南鎌倉総合病院「湘南鎌倉先端医療センター」が、2022年1月31日に本システムによる治療を開始した。
本システムは、日立として初めて受注した小型陽子線治療システムとなる。
湘南鎌倉先端医療センターは、全国で約400の医療・介護施設を運営する医療法人徳洲会が、湘南鎌倉総合病院の隣接地に建設した先端的放射線治療をはじめ、包括的ながん治療などを提供する医療施設である。
これまで同センターが立地する神奈川県には陽子線治療施設がなかったが、設置面積を縮小した小型陽子線治療システムにより、限られた敷地内への導入が可能となり、都心に近い陽子線治療施設を実現している。
世界的に陽子線治療システムの小型化への需要が拡大する中、日立は一治療室に特化した陽子線治療システム「PROBEAT-M1」を開発した。
本システムは、機器の配置を最適化することで、従来システムと比較して設置面積を約70%に縮小し、都市部の限られた敷地内での設置を実現するとともに、導入に関わる費用と期間を抑えた小型の陽子線治療システムである。
がんの形状に合わせて陽子線を照射できるスポットスキャニング照射技術、高精度な位置決めが可能なコーンビームCT※1を搭載した360度回転ガントリ、動体追跡システム※2などの先進的な技術を備え、小型化と高機能を両立している。
日立は粒子線がん治療システムのグローバル展開を加速させ、世界のがん治療に貢献していくとともに、ヘルスケア事業のさらなる拡大を図っていく。
※1通常の二方向からの二次元X線画像から得られる骨の位置、動体追跡技術によって得られる腫瘍の動きの情報に加えて、腫瘍周辺の正常組織、特に軟組織の位置・形状を把握し、治療室で照射する直前に体内の三次元画像を取得可能にする技術。
※2呼吸などで位置が変動する腫瘍に対してリアルタイムに位置を捉え、正確に陽子線を照射する技術。日本学術振興会の最先端研究開発支援プログラム(FIRST)より助成を受けて、北海道大学と日立製作所が共同開発したもの。
粒子線がん治療は、放射線によるがん治療法の一つである。水素の原子核や炭素イオンを加速器で光速の約70%に加速させ、腫瘍に集中して照射することでがんを治療するもので、水素の原子核を加速したものを陽子線、炭素イオンを加速したものを重粒子線という。
治療に伴う痛みがほとんどなく、他の放射線治療に比べて副作用が少ないため、治療と社会生活の両立が可能であり、生活の質(QoL)を維持しつつ、がんを治療できる最先端の治療法として注目されている。
https://www.hitachi.co.jp/products/healthcare/products-support/pbt/
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