一方、撮影時に特に配慮しなければいけないの肺の透亮性は減少し、肺全体にわたりAir bronchogramが認められる。心陰影境界は不鮮明。Ⅳ度は、両肺野は完全に濃厚なスリガラス状となり、心陰影境界の判別は不可能とされており、本症例ではⅢ度である(図1b)。2)心エコー検査の画像を示す(図2)左室型単心室、両房室弁左室挿入が確認できる。肺動脈狭窄における最大流速は2.62m/s、推定圧較差は27mmHgであった。ほかにも心房中隔欠損、動脈管開存、肺高血圧が確認された。心エコー検査は心臓内の情報を得るために特に有用な検査であるといえる。図1 胸部単純X線写真a:出生直後 b:Air bronchogram図2 心エコー検査とシェーマ最新! 小児放射線領域のテクニックVol.46 No.1認定・専門技師が語る造影CT検査による情報生後12日目、造影CT検査を受けた。小児科医が造影CT検査に求める情報は、主として心臓外の血管情報である。特に大動脈、肺動静脈、動脈管の位置関係や太さは重要で、手術や今後の治療方針を決定する要因になる。その際に、従来のアキシャル断面の画像に加え、VRイメージやMPRを提供することは有用である(図3)。より立体的な血管解剖を把握することができ、手術をより効率よく進めることができるからである。
元のページ ../index.html#79