2014年1月号
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4映像情報メディカル 2014年1月 本日は放射線科の先生方に対して、今さかんにAiを行っている4人の先生にご講演いただいた。結局のところAiをして死因を確定する目的の1つは正確な死亡診断書、死体検案書を記載するところに行き着く。従前、放射線科の先生方も正確な死亡診断書、死体検案書を書くという業務に関わることがあまりなかったので、一部には積極的に参加できないとおっしゃる方もいらっしゃる。正確な死亡診断、死体検案をするというのはやはり医療の基本である。 誰もが、しっかりとした診療を受けたいと思うのは当然である。同様に、自分が死んだ後には正確な死亡診断が下され、正確な死亡診断書、死体検案書が欲しいと思うであろう。正確な死亡診断、死体検案を作成する一助として、Aiが将来さらに重要性を増すと思う。放射線科の先生方にも死亡診断、死体検案をする、正確な死亡診断書、死体検案書を書くための一助となる検査であるということで、一緒にこの分野を発展させて盛り上げていきたい。飯野)そういったエビデンスをわれわれの世代が集めて訴えていけば、懐疑的な先生方にも納得してもらえると思う。今井)いま大事な点がいくつかあった。死後変化は、遺体のおかれた状況でまったく違う。たとえば補液を受けた後はだいぶ違うし、温度によってもかなり異なる。そのエビデンスをふまえた上で診断ができれば、死亡時画像診断は皆が使っていけると考える。その辺がまだ不足しているというのが、法医学者、そして画像診断界の置かれている現状ではないか。若い方がぜひその辺の死後変化をきちんと画像で捉える、こういった死因と死後変化との違いをしっかりと説明できるようにもっていければいいと思う。池田典昭九州大学大学院医学研究院法医学分野/日本法医学会理事長【総括】講演を終えて

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