図4 Ai情報センターの読影システム図3 Ai情報センターへの月間依頼件数(2013年度実績:10月まで)Ai情報センターへの依頼は確実に増加している。映像情報メディカル 2014年1月族が納得できないなら「第三者に評価してもらいましょう」と画像をCDに焼いて渡すことができる。即座に対応できるということは、医療者側の誠意をもった対応を遺族に伝えることにもつながる。第三者の意見の重要性に気づいたのは「亀田のテオフィリン事件」からだ。このときの解剖は病理解剖で同じ病院内で行われ、証拠採用されなかった。同じ病院の先生が読影する、病理解剖するというのは、司法の場では採用されない。ただし、司法解剖は刑法47条があるために、結果がなかなか公開されない。6割以上の遺族が結果を知るまでに2年以上という報告もある。また遺族の半数近くが、死因について納得ある説明があれば訴訟は起こさなかったと言っている。死亡時画像診断を行うことが常態化し、第三者の監査が必要になる時代がきている。Ai情報センターは2009年に設立された。基本的には生体画像を含めたすべての画像診断を行う機関で、ポイントは複数鑑定をする点にある。認知度が高まってくるにしたがって鑑定依頼、読影依頼が増加し、月間ペースで10件を超えている(図3)。事例としては医療関連死や、警察、裁判所から、海外で亡くなった方の遺族からの症例も扱っている。依頼はAi情報センターで受けたあと、「その施設」に属さない3名の医師が鑑定書を作成する(図4)。読影に関しては医療機関からは3万円で依頼を受けており、院内の突然死の症例や、死因に対して少しでも不審な点があれば、是非相談していただきたい。メールでの対応も可能(info@autopsy imaging.com)。池田)厚生労働省は、診療関連死については死因究明2法案の対象から外し、第三者による院内事故調査委員会を作る方向で動き出していた。この秋に法案が成立する予定だったが、国会の混乱で来春にずれ込んでいる。したがって3月、4月には医療関連死、診療関連死に関する調査を行う。従前のモデル事業では解剖症例に限られていた調査が、法案では解剖しない症例についても院内事故調査委員会を作るということになり、その中で一番重要になるのがAiである。診療関連死においてAiを実施する場合に大切なのは、生前の画像があってそれと比較ができることだと、われわれ法医学者もそのことを認識している。来年4月以降、おそらく臨床の先生方、放射線科の先生方はAi調査委員会ができた際には、委員に入り対象の医療機関に対して意見を述べる機会が増えてくると考えている。
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