2014年1月号
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図1 症例1上段:左から、T1強調像、造影T1強調像、FDG-PET下段:左から、造影T1強調像、T2強調像、MET-PET鞍上部にT1強調像で灰白質と等信号、造影T1強調像で濃染される結節を認めた。FDG-PETでは灰白質と同程度の集積。MET-PETでは前頭葉灰白質よりやや強い集積を認めた。表1 PETが施行された5症例4映像情報メディカル 2014年1月ており、Sarcoidosisの中枢神経病変は、一般的にMET、FDGともに集積する可能性がある。 Langerhans cell histiocytosisは、原因不明のLang-erhans細胞の非腫瘍性増殖とされ、好発部位は頭蓋骨、下垂体、視床下部、画像所見はT2強調像で高信号、T1強調像で低信号と非特異的な信号を呈するとされている4)。頭蓋内病変のPET所見についての報告は、Cladribineを使用した治療前後のFDG集積についての報告があり、治療前は病変に強いFDG集積を認めている5)。本症例でもFDG集積を認めており、このような集積が一般的に認められる可能性がある。頭蓋内病変のMET集積に関する報告は、われわれの検索した範囲において過去に見られなかった。本症例によって高集積を示す例があることが示された。 METの診断に関しては、腫瘍だけでなく、肉芽腫2) Christoforidis GA et al: MR of CNS Sarcoidosis: Correlation of Imaging Features to Clinical Symptoms and Response to Treatment. AJNR Am J 参考文献1) Rennert et al: Imaging of sellar and parasellar lesions. Clinical Neurology and Neurosurgery 109(2): 111‒124, 2007性病変にも集積をすることに注意する必要がある。FDGに関しては、Langerhans cell histiocytosisでは高集積であったが、他の4疾患では、同程度の集積を示し、肉芽腫性病変と腫瘍とを区別できなかった。 FDGやMET-PETをどのような状況もしくは目的で使用するのか、さらなる検討が必要である。

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