2014年1月号
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4映像情報メディカル 2014年1月近年、整形外科では、食生活スタイルの洋式化などから股関節や膝の疾患率も増加傾向にあり、脊椎関節への負担も増えている。また高齢化による変形性関節症、関節リウマチなどの症状を訴えるケースも多く、患者は増加傾向になっている。一方、院内のシステムに目を向けてみると、院内フィルムレス化を実施する病院が急増し、フィルムレスの波は整形外科にも例外なく押し寄せている。しかしながら、一般のシステムは整形外科に特化した機能を有しておらず、フィルムレスを掲げながら、整形外科のためにフィルムを出力し続けている施設も多数見受けられる。整形外科においては、直接フィルムに直線や文字を書き込みながら、定規や分度器などを用いて複雑な計測を行う必要がある。また、置換術のプランニングでは複雑な計測に加え、どのインプラントメーカのどのインプラントを使用するのかを、インプラントの形状が描かれたテンプレートを直接フィルムにあてがいつつ、オペに準備するインプラントのサイズを決定する。院内フィルムレス実施後はこれらの作業をすべてモニタ上で実施することとなるが、院内で共通で使用しているビューアのみではその実現が難しく、患者数の多い整形外科医に不要な負担を掛けているのが実情である。画像ビューアの決定プロセスにおいて、整形外科医は蚊帳の外のことが多く、本来必要である機能がないことを導入後に気づいて慌てて予算を取らざるをえないことも多い。東陽テクニカ製デジタルプランニングツール「OrthoPlanner Pro(オルソプランナー・プロ)」は日頃、整形外科医師がフィルム上で行う複雑な計測や作図、人工関節テンプレーティングを、直観的にかつ容易にモニタ上で実現する(図1)。その特長を今回はプランニングの流れに沿って説明する。1)プランニング前■院内ネットワークとの高い親和性OrthoPlanner Proは、すでに200施設で使用されており、国内で流通するほとんどのPACSメーカと接続実績があり、院内システムとの親和性が高い。またOrthoPlanner ProをPACSや電子カルテなどと連携させることにより、専用システムを意識しない、より効率の良い運用を可能としている。医師はPACSビューアや電子カルテの画面からOrthoPlanner Proへ画像を直接展開し、即座にプランニングを行う環境が整う。整形外科領域の特殊なソフトウェアながら、他システムと連携したシームレスな運用を可能とし、術前プランニングをスピーディに実施することができる。プランニング後の画像をPACSサーバへの保存することで、オペ室での参照画像や患者への説明用にも使用できる。2)プランニング1■容易な拡大率補正による高精度計測X線爆射装置の管球と患者、ディテクタの位置関係により、フィルムやモニタ上に表示される画像の大きさは患者の実寸より大きくなる。これまでは、医師が自身の経験から拡大率を考慮し、頭はじめにプランニングの流れ特 集関節疾患の画像診断:変形性関節症(OA)と関節リウマチ(RA)整形外科デジタルプランニングツール「OrthoPlanner Pro(オルソプランナー・プロ)」河野喜生株式会社東陽テクニカ

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