2014年1月号
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術前計画、術後計測の効率化も可能である。加えて従来はレントゲンフイルムとトレーシングペーパーで行われていた術後整復シミュレーションも、画像のカット・アンド・ペースト機能によりモニタ上において再現することができる。このように従来のフイルムを利用したワークフローに近い内容で、より簡単にかつ正確にシミュレーションを行うことが可能となる(図1a、b)。2)プロフェッショナル計測ツール『iRad-OT』では各部位ごとの複雑な計測を「整形外科プロフェッショナル計測ツール」としてパッケージ化している。従来のPACSでは複数の手順が必要となっていた特殊な計測が必要最低限の操作により可能となった。シャープ角、CE角、AHI、下肢アライメント、Cobb角、腰椎すべり率を含めた複数の計測パッケージを搭載しており、簡単な操作で正確にすばやく計測を行うことが可能である(図2、3)。3)カスタム計測ツール最新版『iRad-OT』では従来のプロフェッショナル計測に加えて、長さや確度等を計測するツールを自由に組み合わせたカスタム計測ツールを作成することが可能である。ユーザごとに使いやすいツールを作成し、さらに作成した計測ツールのユーザ間における公開/非公開などの設定も可能である。4)印刷手段の確保フイルムレス運用開始後においても、デジタル化できないテンプレートによるシミュレーション、義肢装具作成時の計測など媒体への印刷が必要となる場合がある。そこで『iRad-OT』では、院内ネットワークに接続されたWindowsプリンタに対してフイルムサイズ、または任意の拡大率によ44映像情報メディカル 2014年1月すでに国内ではPACSによるフイルムレス運用も一般化し、複数回のリプレイスを行った施設も多くなってきた。しかし完全フイルムレス運用が難しい整形外科領域においては、必要に応じてフイルム運用を継続している場合が多いのではないだろうか。そこでインフォコムではこれまで2D画像における計測や術前計画に対するソリューションとして整形外科部門PACS『iRad-OT』を提案してきた。今回はより詳細な画像解析を行う医療定量画像解析ソフトウェア『Dr.View/LINUX』を組み合わせることにより整形外科分野におけるトータル画像ソリューションを紹介する。2009年に販売を開始した『iRad-OT』は、整形外科におけるフイルムレス運用の手段の1つとしてこれまでに複数の施設で利用されている。その中でも特長的な機能、運用事例を紹介する。1)手術シミュレーション『iRad-OT』には、主要メーカの膝関節、股関節、肩関節、外傷などのデジタルテンプレートが搭載されており、モニタ上でこれまでと同様にテンプレートを用いた術前シミュレーションが可能である。このデジタルテンプレートは定期的なバージョンアップを行うことにより最新のものが利用可能となる。TKA、THAサポートツールも搭載しており、はじめに整形外科部門PACS 『iRad-OT』について高柳亮太郎インフォコム株式会社 ヘルスケア事業本部 放射線システム事業統括部 営業グループ特 集関節疾患の画像診断:変形性関節症(OA)と関節リウマチ(RA)インフォコムが提案する整形外科領域における画像ソリューション〜整形外科部門PACS『iRad■OT』と医療定量画像解析ソフトウェア『Dr.View/LINUX』の組み合わせによる医療の質の向上〜

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