図6 膝関節OAの単純X線正面像脛骨近位部と膝関節において内反変形を呈しており、内側大■脛骨関節の軟骨は摩耗・消失している。映像情報メディカル 2014年1月撮影方法について、2012年にSutterらは、健常人53例とFAI患者53例を調査し、Alpha Angleは健常群と患者群でかなりのオーバーラップがあり(50±7 vs 55±13)、検者間再現性ICCは0.63〜0.82程度で、スライスの切り方によって大きく変化し、頸部軸を中心に放射状に切った複数のスライスでは、前後方向で切ったスライスよりも前上方〜後下方に切ったスライスで診断率が高くなると報告している20)。つまり、隆起の首座は前方ではなく前側方であり、同部を評価すべきである、ということになる。Pincer Deformityは、単純X線では臼蓋縁の形状を見ることで評価できる。Cross Over Signは前方の臼蓋縁が側方に張り出し後方の臼蓋縁と交わる像を示しており、臼蓋の後捻を意味する。Posterior Wall Signは後方の臼蓋縁が骨頭中心よりも側方まで張り出している像を示し、臼蓋の過前捻を表す。これらの形状は骨盤傾斜で変化するため注意を要する。骨盤が過度に前傾しているとCross Over Signとなりやすく、また骨盤が回旋していると、後方に回旋した側でCross Over Signに見えやすくなる。膝関節OAは、その多くが一次性のOAであり、加齢や性差、肥満など、複数の因子がかかわっているが、その因子の1つとして下肢の内反変形は重要である(図6)。内反変形により、膝関節の内内反膝(Varus Knee)と膝関節OA
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