ITEM in JRC 2025
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*1「CT5300」23Vol.57 No.4CT:CT 5300が提供する新たな価値−臨床、ワークフロー、そして経済的価値■ 新型検出器「NanoPanel Precise detector」を搭載したCT 5300■ AI機能とバーチャルイメージングツールでワークフローの改善フィリップスのCTブースでは2つのCT装置を紹介する。1つは、新型検出器とAI機能を搭載したプレミアム装置*1「CT 5300」(図4)。クリニカルコンフィデンスの向上、ワークフローの改善、さらに病院経営における経済性にも貢献する。もう1つは2層検出器を搭載したフラッグシップモデル*1「Spectral CT 7500」。スペクトラルイメージングのルーチン使用により、確実性を高めた画像診断を実現する。今回は、CT 5300とSpectral CT 7500の特長について解説する。CT 5300は、当社のCT装置として初めてAI画像再構成(AI-based reconstruction)に最適化された検出器「NanoPanel Precise detector」を搭載した(図5)。当社の従来の検出器の構造を一から見直すことで、まったく新しい検出器の開発に成功した。これまでAI画像再構成の使用を前提とした超低線量撮影においては、従来の検出器構造ではアーチファクトやノイズの影響を完全に排除することは難しかった。今回の新型検出器はこれらの課題を解決するために、新たに開発したACISを搭載した。この新型検出器とCT 5300に搭載されるAI画像再構成「Precise Image」を組み合わせることで、最大80%の被ばく低減、60%の低コントラスト検出能の向上、さらに85%のノイズ低減を可能とする*2。ITEMの会場では、多くのCT 5300の臨床画像を展示する予定である。CT 5300にはAI画像再構成「Precise Image」のほかに、「Precise Position」、「Precise Intervention」、「Precise Brain」、「Precise Spine」、「Precise Rib」など、多岐にわたるAI機能を搭載する。これらをルーチン検査に取り入れることで、ワークフローを自動化し、シンプルで一貫性のあるCT検査をサポートする。また、「CT Collaboration Live」というバーチャルイメージングツールでは、遠隔環境での医療従事者間のコミュニケーションを可能にする。会話やチャットのみならず、コンソール画面の共有や操作にいたるまでリアルタイムで遠隔操作を可能にすることで放射線科全体の働き方改革に貢献する。■ 全世界で700台以上稼働する*3Spectral CT 7500Spectral CT 7500は「NanoPanel Prism detector」と呼ばれる2層検出器を搭載している。ルーチン撮影で用いられる120 kVpの撮影で、通常画像に加えスペクトラル画像も常に取得できる。スペクトラル画像は病変の明瞭化、コントラストの向上、画像のカラーマップ化、さらに定量解析も可能とする。フィリップスのスペクトラルCTは全世界で720台がインストールされており*3、ITEM会場では日本国内のみならず、世界中から集めたスペクトラル画像を紹介する。株式会社フィリップス・ジャパン お客様窓口TEL0120-556-494 www.philips.co.jp/healthcare販売名:全身用X線CT装置 CT5300医療機器認証番号:306AFBZX00013000設置管理医療機器/特定保守管理医療機器/管理医療機器販売名:スペクトラル CT7500医療機器認証番号:303AFBZX00042000設置管理医療機器/特定保守管理医療機器/管理医療機器*1フィリップス社製CT装置内での比較。*2 臨床の現場では、PreciseImageを使用することで、臨床タスク、患者の体格、解剖学的部位に対応してCT患者の被ばくを抑えることができる。特定の臨床タスクに適した診断画質を得るためには、放射線科医と医学物理士に相談して、適切な線量を決定する必要があります。線量低減の評価は、基準体格プロトコルと1.0mmスライスを使用し、「Smoother」設定で実施した。試験はMITACTIQファントム(CCT189、ThePhantomLaboratory)で行い、10mmピンの評価を行ってフィルタ補正逆投影法と比較した。チャネライズドホテリングオブザーバツールの使用により、4つのピンにわたって1つの範囲が観察され、画像ノイズの85%低減、低造影剤量検出能力の0%〜60%改善、線量の50%〜80%低減が確認された。画像の外観の評価にはNPS曲線のシフトを用い、20cm水ファントムで関心領域の中心50mm×50mmを測定したところ、平均のシフトは6%以下であった。*32025年2月時点での全世界におけるフィリップス社製のスペクトラルCTの稼働台数。販売名:フィリップスAmbition1.5T医療機器認証番号:231AFBZX00015000設置管理医療機器/特定保守管理医療機器/管理医療機器販売名:フィリップスElition3.0T医療機器認証番号:230ACBZX00009000設置管理医療機器/特定保守管理医療機器/管理医療機器図5 AI画像再構成に最適化された検出器「NanoPanelPrecisedetector」図4 新型検出器とAI機能搭載プレミアム装置特別企画

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