ITEM in JRC 2025
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MRI:ヘリウムフリーと強化されたAIソリューションがもたらす臨床価値■ヘリウムフリー*1の70 cmワイドボアBlueSealマグネット■ 新しいクリニカルソリューション ― 臨床価値の創造■ 強化されたAIソリューション ― SmartSpeedとMR Workspace22映像情報メディカル 2025年4月フィリップスが、ヘリウムの再充填が不要な超電導1.5T MRI装置対応「BlueSealマグネット」(図1)を販売開始してから8年が経過した。現在、BlueSealマグネットは全世界で1,700台が稼働しており*2、貴重な地球資源である液体ヘリウムの消費削減に大きく貢献している。当社の従来型マグネットと比較すると、その削減量は約500万リットルにのぼる*2。BlueSealマグネットを搭載した1.5T MRI装置は、70 cmワイドボアのハイパフォーマンスデザインを採用している。最大FOVは55 cm、静磁場安定性は0.001 ppm/h、傾斜磁場直線性は1.4%の性能を維持し、全身の高画質検査のみならず、広範囲DWIや循環器領域においても高精細な画像の提供を目指している。フィリップスの3.0T研究機「MR 7700」には、先端の臨床研究において重要な多核種(MN)イメージングとスペクトロスコピーを可能にするプラットフォームが搭載されている。6つの異なる核種(1H、31P、13C、23Na、19F*3、129Xe*3)の臨床イメージングおよびスペクトロスコピーにより、MRIの可能性を広げる新たな知見の創出が期待される(図2)。さらに、心臓MRI検査の課題であった撮像準備から解析までの一連のプロセスをサポートする新しいソフトウェアや、ワークステーション機能も紹介する。SmartSpeedは、圧縮センシング法「C-SENSE」を進化させたディープラーニング(Adaptive-CS-Net)を活用したOne-Go Physics-Drivenアプローチにより、撮像スピードと画質を最大限に高める技術である。SmartSpeed AI、MotionFree、Diffusionを活用することで、97%の撮像シーケンスに対応し*4、日常検査の効率性と診断精度の向上に寄与している。MR Workspaceは、さまざまなAI技術を検査に活用するプラットフォームとして機能している。処理能力の高いGPUを搭載し、高速な画像再構成および撮像・後処理の自動化を実現し、ワークフローの効率化を促進に貢献する。さらに、AI技術と赤外線カメラによる呼吸波形検知システム「VitalEye」(図3)や、シールド扉の閉鎖に連動して撮像が自動的に開始される「SmartStart」など、ワークフローをサポートする機能が充実している点もぜひご覧いただきたい。図2 多核種対応コイルによる23Naimagingと31PSpectroscopy図3 AI技術と赤外線カメラを応用した呼吸波形検知システム「VitalEye」*1 7リットルの液体ヘリウムを使用して超電導状態を維持。*2 2025年1月末現在の稼働実績、および全世界で稼働中のフィリップスのヘリウムフリーマグネット合計での削減量。*3  フッ素(19F)およびキセノン(129Xe)によるイメージング用の治験用装置。連邦法(または米国法)により治験用に限定されている。これらの核種を用いた臨床撮影には、認可された薬剤の使用が必要。現在、これらの核種に使用可能なFDA認可薬剤はない。*4フィリップス社製MRI装置のインストールベースから施設全体のサンプルを測定し、平均した結果。図1 BlueSealマグネットはヘリウムが密閉され再充填が不要株式会社フィリップス・ジャパンPick Up Product 〜ITEM in JRC 2025Better care for more people〜より良いケアをより多くの人へ〜

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